草原や川より、森林のそばに住む子どもの方が、認知力が発達することがわかった
ただし、木に囲まれることで得られる恩恵が、こうした環境の中で身体を動かすことから来るものなのか、こうした環境下で多くなされる、人とのやり取りから来るものなのか、森林の中で豊富な動植物に触れることから来るものなのか、あるいはこうしたすべての組み合わせなのかは、今のところ不明だとしている。
もう1人の共同上席著者であるUCLのケイト・ジョーンズ教授は、1つの可能性として、森林の中で豊富な動植物に囲まれ、視聴覚的に自然に触れられることで、心理的な恩恵が得られる可能性を挙げた。とはいえ同教授は、自然環境と人間の健康の関係を理解するには、さらなる調査が必要だとしている。
主執筆者であるミカエル・マーズ氏は、今回の調査結果について、どの自然環境でも同じように健康への恩恵があるわけではないことを示唆していると述べた。そのため研究チームは、都市計画の際には、認知力の発達やメンタルヘルスに最大限の恩恵を与えられるよう、どういったタイプの自然環境を取り入れるかを慎重に考慮すべきだとしている。
なお、今回のデータは、生徒の学校や自宅とその環境について、地図上のデータを使用したため、実際に森林や草原、川や湖などが子どもたちにどれだけアクセスしやすいかなどは考慮されていないという。