最新記事

東京五輪

「メダル1位はアメリカ!?」中国で非難続出

China Irked by U.S. Medal Table Ranking as Country Leads in Golds

2021年8月5日(木)17時35分
ジョン・フェン、ロブ・ミント

五輪のメダル数の「数え方」をめぐる議論は、今に始まったことではない。この問題についてIOCの公式なポリシーはないが、アメリカを除く世界のほぼ全ての国・地域では「金メダル獲得数を優先」する方式が採用されている。

獲得総数を優先するアメリカの数え方には長い歴史があり、2008年の北京オリンピック以前からこの方式が使われているが、問題視されるようになったのはその北京大会からだった。

北京大会で、中国は金メダル48個を含む計100個のメダルを獲得。アメリカは金メダル36個を含む計112個のメダルを獲得した。

開催国の中国と世界の他の国々が「中国がトップ」と認める一方で、米メディアがメダル獲得数表でアメリカを1位にしたことが物議を醸し、「アメリカはオリンピックのメダル獲得数での敗北を認めようとしない」「アメリカがメダル獲得数表を印象操作」などと報じられた。

とはいえ、メダルの獲得総数を優先しているのは、実はアメリカだけではない。

ロシアもこの数え方を好んでおり、2004年のアテネ大会では、メダル獲得数表で自国を中国よりも上の2位と報じた(金メダル獲得数では中国が2位、ロシアが3位)。

ロシア・オリンピック委員会の広報担当者が2008年に、獲得総数ではなく金メダルの数で国別のランキングを決める方法は「愚かな考え」だと発言したこともある。

ただし、現在はロシアの複数のメディアが金メダル獲得数を優先する数え方を採用しており、東京大会でのロシア選手たちのランキングを6位としている(獲得総数では3位となるのだが......)。

アスリートにとっても、メダルの色の違いは大きい

数え方そのものより現実的な懸念は、金銭的な問題だ。多くの国は、オリンピックで金メダルを獲得できる見込みのあるスポーツに、優先的に資金拠出を行っている。

東京大会での「勝者」が誰なのかについて、中国とアメリカの見解は異なるかもしれない。ただいずれにしても、真の「敗者」は、メダル獲得の見込みが「金」ではなく銀や銅の場合に金銭的な支援を得られないかもしれない、ほかの国々のアスリートだろう。

個々のアスリートにとっても、メダルの色の違いは大きいのだ。

中国はこれまでに東京オリンピックで金メダル32個、銀メダル23個と銅メダル16個を獲得している。金メダルの獲得数は、自国開催だった2008年の北京大会を除けば最多となるかもしれない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から

ワールド

ウクライナ和平交渉団が米国入り、トランプ政権高官と

ワールド

イラン指導者ハメネイ師、トランプ氏がデモ扇動と非難
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 5
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 6
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 7
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 8
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 9
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 10
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中