大谷が英語を喋らないと「差別」した米キャスター、実は大谷の「崇拝者」だった
MLB Fans Irate Over Stephen A. Smith Calling Shohei Ohtani 'Dude That Needs an Interpreter'
大谷がNBAのトップ選手のように英語ペラペラなら全米スターになっていた? Gary A. Vasquez-USA TODAY Sports
<アジア人に対するあからさまな人種差別と、ファンからも同業者からも批判を浴びたが、真意は真逆だった?>
米スポーツ専門局ESPNの番組司会を務めるスティーブン・A・スミスが7月12日、ロサンゼルス・エンゼルスのスーパースターである大谷翔平を「通訳が必要な男」と呼び、米大リーグ(MLB)ファンは激怒した。
問題の発言が飛び出したのは、スミスとマックス・ケラーマンが共同司会を務めるESPNのトーク番組「ファースト・テイク」。スミスはケラーマンと、12日のホームランダービーについて話すなかで、次のように発言した。「野球が国際的なスポーツで、誰でも参加できるのは理解している。だがテレビや球場で観戦する観客のことを考えると、その一番の『顔』が通訳を必要とする男だというのはマズイんじゃないか。この国では、通訳がいなければ彼が何を言っているのかまったく分からないんだから!」
「ほかのスポーツは違う。たとえばバスケットボールではダーク・ノビツキーがドイツ出身だし、マヌ・ジノビリをはじめ複数の選手が外国出身だが、彼らは流暢な英語を話す」と、スミスは続けた。「インタビューで彼らが何と言ったかを理解できる。彼らには通訳が必要ないからだ。だが大リーグにはなぜか、通訳が必要な選手たちがいる」
「正真正銘の差別」と批判
一連の発言は、大谷がエンゼルスで打者、投手および野手として輝きを放ち、彼がMLBの「顔」になり得るという声が多いという話題の中で出たものだった。大谷は13日にデンバーで開幕するオールスターゲームで、大リーグ選手として史上初めて、投手と打者の両方で出場する。
発言の直後、ソーシャルメディア上には、抗議のコメントが殺到した。
ESPNの元番組司会者であるキース・オルバーマンは、「私はスミスがESPNで成功している時もそうでない時も、彼が正しい時も間違っている時も彼を支持してきた」とツイートし、こう続けた。「だが今回の大谷翔平に関する発言は、アジア人に対するヘイトクライムが問題となっているなかでの、正真正銘の人種差別だ」
I've supported @stephenasmith when he's been big at @espn and when he hasn't, and when he's been right and when he's been wrong.
— Keith Olbermann (@KeithOlbermann) July 12, 2021
But this, about Shohei Ohtani, is straight up racism at a time of dangerous anti-Asian violence.
This requires an apology, and a suspension. Now. pic.twitter.com/dgYRUxWdvI
「この発言について彼は謝罪すべきだし、停職処分になるべきだ。今すぐに」とオルバーマンは書き込み、連続投稿で次のように主張した。「たとえば黒人のアスリートや女性のアスリート、さらにはメディアの取材に応じることがないアスリートについてでも、誰かが少しでも同じようなことを言ったとしよう。そのコメンテーターは、今ごろ解雇されているだろう」