2014年のソチ冬季五輪で、習はアイスホッケーが冬のスポーツの中で「一番好き」な種目だと明かした。しかし来年2月の北京冬季五輪で、中国チームがアメリカやカナダなどのホッケー強豪国に撃破されるのは確実であり、中国にとっては「プロパガンダの悪夢」になると、英エコノミスト誌は予想している。
だが、東京五輪で大量の金メダルを獲得しておけば、その悪夢もうまく乗り越えられるかもしれない。それはコロナ禍で急落する中国の国際的なイメージを挽回するチャンスでもある。
東京五輪の開催を支持して、中国選手の大活躍を内外に示すことは、中国共産党がまさに必要としている「バースデープレゼント」なのかもしれない。COCの劉も、「素晴らしい成績は中国の国威発揚になる」と語っている。
五輪は政治とは無関係に国民を盛り上げるチャンスでもある。多くの国のスポーツファンと同じように、中国のスポーツファンも、高尚な外交にはほとんど関心がなく、純粋に世界のトップクラスの選手たちの活躍を見たり、自国の人気選手を応援したくてウズウズしている。
たとえそれが日本との長年の外交問題を一時棚上げすることになったとしても、「なにがなんでも五輪を開催する」ことは、現在の中国政府にとって重要な利益になるのだ。
2026年7月7日号(6月30日発売)は「歴史で読み解く アメリカ建国250年」特集。
超大国の現在地と「トランプ後」の世界
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます