最新記事

宇宙政策

米国や中国に対抗し、自立型の宇宙産業を志向する欧州の戦略

2021年1月22日(金)16時50分
松岡由希子

2020年に打ち上げられた太陽観測衛星ソーラー・オービター REUTERS/Joe Skipper

<米国と中国が存在感を示している世界の宇宙産業。その中で、欧州連合(EU)は、欧州グリーン・ディールに則した自立型の宇宙産業を目指している...... >

欧州の宇宙産業の市場規模は2014年時点で約500億ユーロ(約6兆3000億円)にのぼり、23万人以上の雇用を創出している。

欧州連合(EU)の宇宙政策では、2014年から2020年までに120億ユーロ(約1兆5000億円)超を宇宙開発に投資したのに続き、2021年から2027年までの7年間でさらに148億ユーロ(約1兆8700億円)を投資する計画が示されている。

米国や中国に対抗し、自立型の宇宙産業を志向

2010年代以降、衛星の打ち上げ回数や宇宙ミッションの数が世界的に急増し、なかでも米国と中国が存在感を示してきた。米国では、2020年5月、宇宙開発企業のスペースXが民間企業として初めて有人宇宙飛行に成功。中国では、無人探査機「嫦娥4号」が2019年1月、月の裏側での月面着陸に初めて成功した。

欧州連合は、米国や中国に対抗し、自立型の宇宙産業を志向している。産業政策を担当する欧州委員会のティエリー・ブルトン委員は、2021年1月12日、第13回欧州宇宙会議において、宇宙分野における欧州の戦略的自治を訴え、「我々にはより攻撃的かつ積極的な戦略が必要だ」と強調。今後7年にわたる宇宙政策のもとでインフラ、技術、スキル、強みを開発し、第三国への依存を軽減する方針を示している。またブルトン委員は、「インターネットへの攻撃はもはやフィクションではない」、EUは安全なブロードバンドネットワークを構築する必要があるとも述べている。

また、欧州連合では、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「欧州グリーン・ディール」を推進しており、宇宙開発もこれに則ってすすめられる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アルゼンチンGDP、25年は4.4%増 予想やや下

ビジネス

オープンAI、今年末までに従業員8000人にほぼ倍

ワールド

フィッチ、NZの格付け見通し引き下げ 財政再建の遅

ワールド

イランのミサイルによる欧州標的計画、裏付ける証拠な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    人気セレブの「問題ビデオ」拡散を受け、出演する米…
  • 8
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 9
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 10
    BTSカムバック公演で光化門に26万人、ソウル中心部の…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中