最新記事

感染症対策

韓国、ハイテクからデコ盛りまでコロナ禍で生まれた個性派マスクたち

2020年12月25日(金)21時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

 

韓国の超エリート大学KAISTが発表したコミュニケーションができるマスク「マスクリーン」 MAKinteract / YouTube

<マスクをする人など皆無だった韓国も、コロナ禍の今年はマスクが日常的なものになり、さまざまなバリエーションが誕生した>

新型コロナウィルスの世界的感染拡大により、マスクの着用が当たり前の生活となった。日本のように日常的にマスクを着ける人が多い国以外の諸外国も、今ではマスクを手放せない生活を送っている。

人々は着用に慣れてくると、より快適な素材で、より効果があるマスクを開発し始め、さらには別の機能まで搭載させたハイテクマスクまで開発し始めている。

今回は、コロナ対策で数々のアイディアを生み出し、海外から注目を集めた韓国のさまざまなマスクを紹介しよう。

KAISTといえば、世界の大学ランキングで常に上位にランクインするほどの科学技術の超エリート国立大学だ。さまざまな研究や発明が発表されているが、今回このKAISTの研究チームがハイテク技術搭載マスクを発表し話題となった。「マスクリーン」と呼ばれるこのマスクは、着用時の短所である「口元の表情が読み取れない」問題を解決してくれる。

一見普通のマスクのように見えるが、内側には光センサーが内蔵されていて、光を反射させ唇の動きや顔の表情を感知する。そして、その顔の動きは、ドットの絵となってマスクの外側に付いているLEDディスプレイに反映される仕組みだ。

LEDで口の形や翻訳文まで表示するマスク

LEDにはドットの組み合わせで「笑顔」「笑い」「悲しい」「怒り」「驚き」などの口の形になって表される。まだ細かい表現まで表示することは難しく、例えば「Fear(恐れ)」と「Inrage(怒り)」の口の区別はあいまいだが、今後さらに開発が進めば、もっと細かな表現がマスク上に再現されることとなるだろう。

そして、この「マスクリーン」に注目が集まっているもう一つの理由が、翻訳機能である。マスク内に搭載された小さなマイクが音声を拾い、GoogleクラウドAPIを利用して翻訳し、なんとマスクのLEDディスプレイに表示してくれる。翻訳言語は、韓国語はもちろん日本語、英語、中国語、トルコ語など多言語での翻訳が可能だという。

これがスムーズに活用できるようになれば、聴覚障がい者の人々にも役立てることもできそうだ。手話や筆記以外に、口の動きを見て読み取る口話技術で生活している人も多いが、マスクは口元を隠してしまうため口の動きが見えないという難点があった。

また、翻訳機能の性能がもっとアップすれば、近い将来外国語が喋れなくても、マスク一つを着用していれば知らない国へ旅行も夢ではない。さまざまな可能性が広がる近未来マスクである。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英小売売上高、11月は前月比0.1%減 予算案控え

ワールド

中国、米国防権限法の対中条項に強い不満 実施見送り

ビジネス

英財政赤字、11月は市場予想以上の規模に

ビジネス

ニデック、永守氏が19日付で代表取締役を辞任 名誉
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中