韓国、ハイテクからデコ盛りまでコロナ禍で生まれた個性派マスクたち
韓国の超エリート大学KAISTが発表したコミュニケーションができるマスク「マスクリーン」 MAKinteract / YouTube
<マスクをする人など皆無だった韓国も、コロナ禍の今年はマスクが日常的なものになり、さまざまなバリエーションが誕生した>
新型コロナウィルスの世界的感染拡大により、マスクの着用が当たり前の生活となった。日本のように日常的にマスクを着ける人が多い国以外の諸外国も、今ではマスクを手放せない生活を送っている。
人々は着用に慣れてくると、より快適な素材で、より効果があるマスクを開発し始め、さらには別の機能まで搭載させたハイテクマスクまで開発し始めている。
今回は、コロナ対策で数々のアイディアを生み出し、海外から注目を集めた韓国のさまざまなマスクを紹介しよう。
KAISTといえば、世界の大学ランキングで常に上位にランクインするほどの科学技術の超エリート国立大学だ。さまざまな研究や発明が発表されているが、今回このKAISTの研究チームがハイテク技術搭載マスクを発表し話題となった。「マスクリーン」と呼ばれるこのマスクは、着用時の短所である「口元の表情が読み取れない」問題を解決してくれる。
一見普通のマスクのように見えるが、内側には光センサーが内蔵されていて、光を反射させ唇の動きや顔の表情を感知する。そして、その顔の動きは、ドットの絵となってマスクの外側に付いているLEDディスプレイに反映される仕組みだ。
LEDで口の形や翻訳文まで表示するマスク
LEDにはドットの組み合わせで「笑顔」「笑い」「悲しい」「怒り」「驚き」などの口の形になって表される。まだ細かい表現まで表示することは難しく、例えば「Fear(恐れ)」と「Inrage(怒り)」の口の区別はあいまいだが、今後さらに開発が進めば、もっと細かな表現がマスク上に再現されることとなるだろう。
そして、この「マスクリーン」に注目が集まっているもう一つの理由が、翻訳機能である。マスク内に搭載された小さなマイクが音声を拾い、GoogleクラウドAPIを利用して翻訳し、なんとマスクのLEDディスプレイに表示してくれる。翻訳言語は、韓国語はもちろん日本語、英語、中国語、トルコ語など多言語での翻訳が可能だという。
これがスムーズに活用できるようになれば、聴覚障がい者の人々にも役立てることもできそうだ。手話や筆記以外に、口の動きを見て読み取る口話技術で生活している人も多いが、マスクは口元を隠してしまうため口の動きが見えないという難点があった。
また、翻訳機能の性能がもっとアップすれば、近い将来外国語が喋れなくても、マスク一つを着用していれば知らない国へ旅行も夢ではない。さまざまな可能性が広がる近未来マスクである。