アメリカを抜いてEUの最大貿易相手国にのし上がった中国の戦略的勝利
China Celebrates Surpassing US in Trade with EU for the First Time
中国との協力のこのモデルは、ヨーロッパだけでなく、世界全体に適用される、と華は言う。
「今後、新たな開発パラダイムを発展させる一方で、中国はさらに経済を開放し、EUはじめ他の国々により多くの機会を提供するだろう」と、華は付け加えた。「われわれは、EUが貿易・投資市場の開放を続け、中国と協力して経済のグローバリゼーションと貿易と投資のための開かれた自由な環境を支えることを望む」。
19世紀に世界最大の経済大国といわれた中国は往年の地位を取り戻そうとしており、その勢いに、西側諸国では多くの人が驚き、狼狽している。
中国は現在、経済では世界第2位だが、第二次世界大戦後に中国共産党が政権を奪った時点では5位だった。中国は今後10年ほどで世界最大の経済大国になると予測されている。
バイデン政権で欧米が統一歩調?
ヨーロッパではフランスやドイツ、イギリスといった国々が、中国の経済や人権の分野での強引な行動やアジアにおける地政学的紛争について非難の声を上げた。
だが一方で、フランス・ドイツとアメリカとの関係も良好とは言えなかった。ドナルド・トランプ米大統領は中国政府に対して好戦的な態度を取る一方で、ヨーロッパの同盟諸国との関係の見直しも望んでいた。アメリカの政権交代を来月に控え、EUはすでにジョー・バイデン次期米大統領との連携を目指す新たな戦略の立案を始めている。
EUの欧州委員会は2日、「グローバルな変化に向けたEUとアメリカの新たなアジェンダ」と題する11ページの文書を発表。「意見の近いパートナーとの新しいグローバルな同盟関係のかなめ」となる枠組みを提案した。
この新たな戦略において中国は「協力に向けた交渉相手であり、経済的な競争相手であり、制度的ライバル」であると位置づけられている。
また、EUはさらに強力になりつつある中国への対応が必要だとする一方で、貿易戦争を始めて国際市場を揺るがしたトランプ政権の対中政策を非難している。
「国際社会において中国が強引さを増していることによる戦略的課題に関し、開かれた民主社会であり市場経済であるEUとアメリカの意見は一致している。たとえ最良の対応についての意見が常に一致するとは限らないにしても」とこの文書には書かれている。