韓国、コロナ禍で動物たちが危ない 潰れる動物園、規制のない動物カフェ
韓国の動物カフェにはコロナ感染対策で輸入禁止となったジャコウネコの姿が…… MBN News / YouTube
<熱しやすく冷めやすい国ではコロナの影響で動物たちも犠牲に──>
韓国の特徴の一つとして、特色のある飲食店などで人気に火が付くと、街中にそのスタイルをパクった店があふれる、という現象がある。熱しやすく冷めやすい国民性がそうさせるのか、トレンドの流れが速い韓国では、消費者が流行り物に飛びつきやすい傾向があるようだ。
しかし、全く新しいスタイルの店が一気に急増すると、規制が追い付かずグレーゾーンのまま開業している店や、流行が過ぎ去った後の処理など、様々な問題が起きることもある。最近では、それが動物の命に係わるようなトラブルのため、対応が急がれている。
韓国では2016年頃から「室内動物園」と呼ばれる民間の動物園が登場し大流行した。これは、一般的な動物園の展示動物より比較的小さな草食動物を中心に、室内でこぢんまりと運営されている「ふれあい動物園」のような施設だ。
子供にも人気で、親子連れやデートするカップルなどで溢れていた。しかし、今年のコロナ・パンデミックをきっかけに営業自体が難しくなり、廃業に追い込まれている室内動物園も多い。そうなると、問題なのは、残された動物たちである。
移動させようとした動物たちのほとんどが死んだ
動物園が閉園に追い込まれると、動物たちはその場に放置されたまま、ろくに世話もされず死んでしまうケースもあるという。収入が無い状態でスタッフは解雇され、経営者だけですべての動物の世話を行っているため、当然動物たちに手が行き届かない。命を扱っている意識が薄すぎるのではないだろうか。
この問題は10月上旬にはKBSニュースの中で「廃園動物園の不良な管理」というタイトルでこの問題を取り上げられ話題となった。記者が2店舗の廃園した室内動物園を取材しており、どちらも放置された動物たちの様子が映し出されていた。
換気のできないような小さな部屋で、動物の入った小さいゲージが何段にも積まれて置かれたままになっている様子や、何日も変えられていないような汚い水入れ。掃除も行き届いていないようで、ケージの底に溜った排泄物も見える。
映像を見ていると、必死に訴える動物たちはエサもちゃんと与えられているのか心配になってくる。ゲージに何羽も一緒に入れられた鳥は毛並みも悪く、閉園後世話もろくにしてもらっていないのだろう。「他の支店に移動させる段階で、ほとんどの動物たちが死んでしまった」というスタッフの証言も放送されている。
この経営者たちはこれまでどのように動物に接していたのだろう。動物たちは、お金を生む道具としか考えていなかったのかもしれない。コロナのせいで稼げなくなった今、動物たちは小さな部屋の隅で邪魔もの扱いされている状態だ。
一方でこんな問題も発生している。韓国ではここ数年、ユニークなカフェが人気だ。最近では珍しい動物カフェに火が付き、一気に急増した。猫カフェなどは日本でも多く見かけることができるが、韓国ではだんだんエスカレートしていき、他店との区別化を求めて珍しい動物を置くカフェが次々と誕生している。