最新記事

インスタントラーメン、ロックダウン時のアメリカでバカ伸び NYTのレビューで高評価の韓国商品が躍進

2020年9月9日(水)20時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

実は世界第6位のラーメン大国

実はアメリカは、インスタントラーメンの消費量世界第6位を誇っている。世界ラーメン協会の発表によると、去年1年間のアメリカのインスタントラーメン消費量は46億3000食だったそうだ。そんなアメリカでは、ラーメンも文化に合わせて独自の進化を遂げている。

麺類をすすって食べることが無礼とされる西洋文化に合わせて、同じ商品でもアメリカ用のインスタントラーメンは、日本より麺の長さが短めに作られているものが多いことは有名だ。ほかにも日本や韓国など本場のインスタントラーメンとの違いをいくつか紹介しよう。

日本で人気のカップ焼きそば等、汁なしインスタントヌードル商品もアメリカで売られているが、大きな違いは、作り方が違うこと。作り方を見ると日本と同じ方法も紹介されているが、具を先に入れ、穴から湯切りし、ソースを入れる手順がややこしいからか、全部一度に容器へ入れて電子レンジで作る方法も一緒に記されていて、こちらの作り方の方がアメリカでは定番化している。

アメリカのカップヌードルは日本のものと違う?

newsweek_20200909_195451.jpg

アメリカのスーパーマーケットに並ぶ日清のカップヌードルには「NO ADDED MSG」の文字が。 photo by Azumi Warrick

また、同じインスタントラーメン商品のはずが、海外では日本で食べたときよりも味気なく、不味く感じた経験をした方もいるかもしれない。それは、MSG(グルタミン酸ナトリウム=うま味調味料)が入っていないからと言われている。日本でおなじみの日清カップヌードルもアメリカで発売している商品には「NO ADDED MSG」の文字がしっかり正面に印刷されている。

また、日本ではラーメンに野菜や卵などをちょい足し、韓国ではキムチやチーズのちょい足しすることが主流だが、アメリカでは特に主流なちょい足しは無い。ただ、スパイシーな味が好きな人が多いらしく、シラチャーソースという辛いチリソースをかけて食べる人も多いと聞く。そう聞くと韓国ラーメンが人気だということも納得いただけるだろう。

日本から生まれたインスタントヌードルは、今や世界に羽ばたき、今回の新型コロナの危機で買い物すら思い通りに出来ない状況にあって、人々の非常食として支えとなった。これからも世界各国でその土地の食文化に適応し、進化を遂げ続けていくだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有

ビジネス

FOMCが焦点、0.25%利下げ見込みも反対票に注
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中