最新記事

欧州

スペイン、フランス、ドイツに感染第2波? 非常事態解除が仇  

Europe Fears Coronavirus Second Wave Amid Spikes in Spain, France, Germany

2020年7月28日(火)16時55分
スー・キム

当局者たちはフランス全域に「集団的規律」を呼びかけて在宅勤務を奨励し、感染が疑われる場合には速やかに検査を受けるよう求めている。

またAFP通信によれば、政府は27日、各企業に対して「再びパンデミックが起こった場合にも対処できるように、10週間分の防護マスクを予備で確保しておくように」と勧告。従業員が安全に職務を遂行できるように「従業員を守るために全体として必要な装備が揃っているようにしておく」よう促した。

フランスでは、6月上旬頃から感染者(入院または自宅療養中)の数が増えており、7月26日の時点で6万9521人に達している。ワールドメーターがまとめたデータによれば、この数はフランスでこれまでに確認された感染者の総数の約3分の1に相当する。

ドイツ

ドイツでは7月上旬頃から、1日当たりの新規感染者数が再び増加に転じた。7月18~24日の1週間で確認された新規感染者は3615人。ワールドメーターによれば、11~17日の感染者2757人から30.7%以上の増加だ。

大規模集会などでクラスター発生

国際放送局ドイチェ・ウェレ(DW)は、東部ザクセン州のマイケル・クレッチマー首相が25日に、「既に感染拡大の第2波が来ている」と発言したと報じた。クレッチマーは地元紙に「毎日新たなクラスターが発生しており、それが大勢の感染につながることもあり得る」と語ったという。

DWの25日の報道によれば、ドイツの直近7日間の平均R値は、その前の週の1.05から上昇して1.16だった。

ドイツのロベルト・コッホ研究所(RKI)は24日、先週のある時点では、国内の1日あたりの新規感染者数が500人前後から800人超に急増したと指摘。同研究所の広報担当者はドイツ通信社(DPA)に対して、「かなり心配な展開であり、RKIでは今後も引き続き、状況を注視していくつもりだ」と説明。「事態のさらなる悪化は、なんとしても避けなければならない」と語った。

RKIによれば、ドイツ国内の新たな感染のうち60%以上が、西部のノルトライン・ウェストファーレン州と南西部のバーデン・ビュルテンベルク州で報告されている。またDWの報道によれば、新たに発生したクラスター感染は大規模集会やレジャー、職場、公共施設や医療関連施設、海外からの帰国者などとのつながりが確認されている。

<関連記事>「接触追跡アプリが第2波を防ぐには不可欠」ジョンズ・ホプキンズ大専門家インタビュー
<関連記事>ベルギーの死亡率が世界一高いといわれる理由、ポルトガルが低い理由......

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アマゾン、3年ぶり米ドル建て社債発行 150億ドル

ビジネス

ドイツ銀、28年にROE13%超目標 中期経営計画

ビジネス

米建設支出、8月は前月比0.2%増 7月から予想外

ビジネス

カナダCPI、10月は前年比+2.2%に鈍化 ガソ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中