最新記事

外国人労働者

日本人が持つイメージより、はるかに優秀で勤勉な外国人労働者たちのリアル

2020年7月22日(水)13時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

外国人労働者の実像は、日本人が持つイメージとは大きく異なる Blue Planet Studio/iStock.

<AIに仕事を奪われる前に、あなたにとって代わるのは外国人かもしれない>

バブル時代、公園にたむろしていた中東からの外国人を見かけて以来、コンビニの店員など日本でもすっかり身近な存在になった外国人労働者たち。だが不思議なことに、昨年の改正入管法施行まで、日本に「外国人労働者」はいなかった。

「そんなバカな」と思うかもしれない。だが法律的にはいなかったのだ。いたのは、ホワイトカラーと呼ばれるネクタイを締めて働く人たち、あるいは外国料理のコックのような技能専門職、そして外交、医療、宗教などの知識専門職だけである。

ところが、日本国内の多くの企業が求めてきたのは、いわゆる「現場労働者」。そこで、在留資格をめぐってさまざまな悲喜劇が繰り返されてきた。

浅草で行政書士事務所を経営し、おもに外国人の在留資格取得や起業支援をしている細井聡(大江戸国際行政書士事務所)は、これまで多くの外国人と関わってきた。「人をなめるのもいいかげんにしろというような外国人と出会う機会も多い」と言う細井だが、一方で「10年後、20年後、いや5年後かもしれない、『同僚は外国人』という時代がすぐそこまで来ている」とも言う。

ここでは、細井が最近上梓した『同僚は外国人。10年後、ニッポンの職場はどう変わる!?』(CCCメディアハウス)より一部を抜粋し、日本人が持つイメージとは大きく異なる、勤勉で優秀な外国人労働者たちの姿を紹介する。

<本書未掲載エピソード紹介(前編):一夫多妻制のパキスタンから第2夫人を......男性の願いに立ちはだかる日本の「重婚罪」
<本書未掲載エピソード紹介(後編):トランプ、ルペンよりもっと厳しい? 外国人の子供に国籍を与えない日本の「血統主義」

◇ ◇ ◇


たくましくしたたか、ある中国の若者の人生設計

私が時々通っていた飲み屋に、働き者で頭も愛想もよい中国人留学生のアルバイトがいた。行政書士になってから、家の近くで彼とすれ違った。スーパーの買い物袋を下げていたので、「家はこの辺だったっけ」と尋ねると、「はい、マンションを買ったので」と言う。まだ就職して1年ちょっとである。すでに同郷の女性と結婚していて、今度、子どもが生まれるという。

「よくお金があったね」と聞くと、ローンを組んだらしい。永住者でない外国人が、日本の銀行からお金を借りるのは難しい。中国人に限って言えば、中国系の金融機関が、不動産を買うなら担保があるので貸すのだろう。それにしても、マンションを買うために頭金がいる。

しばらくぶりにその店を尋ねたときに、オーナーに「彼マンション買ったんだって?」と尋ねると、「そうなんだよ。うちで働いたあとに、朝まで営業している焼き鳥屋で働いてたらしくてね、学生時代に彼女と二人で頭金を貯めたらしい。たぶん五~六百は」とあきれていた。一方で、「すごいよねぇ、俺が20代のころなんて遊びたいばっかりで、そんな先を見通してなかったよ」と感心もしていた。

<参考記事:永住者、失踪者、労働者──日本で生きる「移民」たちの実像

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

グーグル検索巡る独禁法訴訟、是正措置不十分と米政府

ビジネス

プルデンシャル生命、新規販売を90日間自粛 社員の

ビジネス

ミラン米FRB理事、CEA委員長職を辞任

ビジネス

米TI、半導体設計会社買収へ協議 約70億ドル=F
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 9
    ICE射殺事件で見えたトランプ政権の「ほころび」――ア…
  • 10
    少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 10
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中