「アフリカ系アメリカ人」「黒人」、どちらが正しい呼び方?
「アフリカ系アメリカ人」と呼ぶべきか、議論が活発になっている...... REUTERS/Carl Recine
<「Black Lives Matter」運動をきっかけに、アメリカでは「アフリカ系アメリカ人」と呼ぶべきか、「黒人」と呼ぶべきなのか、という議論が活発になっている......>
BLM運動で活発化した「どう呼ぶか」問題
ジョージ・フロイドさん死亡事件を機にアメリカで盛り上がっている、「Black Lives Matter」(黒人の命は大切だ」運動だが、これをきっかけに、アメリカでは「アフリカ系アメリカ人」と呼ぶべきか、「黒人」と呼ぶべきなのか、という議論が活発になっている。
米CBSニュースは、「多くの人は、差別的な言い方をしないようにしたいとか、礼儀正しくありたい、という思いから、『アフリカ系アメリカ人』(African American)という言い方が基本だと考えている」と指摘している。日本でも、この流れから「アフリカ系アメリカ人」という言い方が失礼でなく、正しい言い方だと認識している人が多いだろう。
CBSニュースは、「アメリカ史において長い間、黒人といえは、奴隷としてアメリカに連れてこられたアフリカ人の直系の子孫がほとんどだった」と説明し、この呼び方の背景を説明する。また米ワシントンポスト紙によると、1980年代に公民権運動の活動家ジェシー・ジャクソン氏が、アフリカ系アメリカ人という言葉を標準化するよう活動し、この表現が学術界で長く使用されてきたという。
ハワード大学のグレッグ・カール准教授は米首都ワシントンのメディアWUSA9に対し、自分たちをアフリカ系アメリカ人と呼ぶことで、アフリカ人としてのルーツを誇りつつ、アメリカ人としての権利もあると主張しているのだと説明している。
ただアメリカにいる黒人の人たちをどう表現するかという議論は、今になって突然始まったものではなく、カール准教授は「これまで常に議論されてきた」と指摘する。実のところ同准教授のインタビュー記事も、BLM運動が始まる1年前の昨年5月に掲載されたものだ。
当人がどう感じるかが重要――SNSでのアンケートでは
アメリカはさまざまな国からの移民で成り立っている国であり、アメリカにいる黒人は、アメリカにおける奴隷制度とは何の関係もない人たちも増えてきた。
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