「アフリカ系アメリカ人」「黒人」、どちらが正しい呼び方?
米ノースウェスタン大学でアフリカ系アメリカ人学を教えるセレステ・ワトキンス・ヘイズ教授はCBSニュースに対し、1960年代以降、黒人の移民が増加したと指摘する。アフリカ、カリブ海諸国、欧州で生まれた人たちで、自分たちは黒人ではあるが、アフリカ系アメリカ人ではない、と認識する人たちだ。
しかし中には、自分はアフリカとは直接的な関係はないが、アメリカで暮らす黒人である以上、アフリカ系アメリカ人と呼ばれることを受け入れているという人もいるという。
前述のWUSA9は昨年5月、カール准教授に、黒人以外の人が黒人の人を表現する際はどのような言葉を使えばいいか、アドバイスを求めていた。同准教授の答えは、もっともシンプルな解決法は、どう呼ばれたいか本人に聞くことだ、というものだった。
そこでWUSA9は、ソーシャルメディア(インスタグラム、フェイスブック、ツイッター)を使って、自分はどう呼ばれたいか、ユーザーに意見を募った。ほとんどの人は「黒人」と認識されたいと答え、「アフリカ系アメリカ人」や「有色人種」(people of color)より多かった。
理由は、「黒人」という言葉は、自分自身の出身地やルーツがどこであれ、アメリカで暮らす黒人を包括的に表していると感じるから、というものだった。
BLM運動後はBを大文字にする動きも
BLM運動を機に、「黒人」をどう表現するべきかについて、小さいものの大きな変化が一つあった。「Black」と書く際に、Bを大文字に表記することだ。大文字にすることで、他の民族や人種と同じ重要性をその言葉に持たせられるからだという。
米国屈指の発行部数を誇るUSAトゥデイは6月12日、「USAトゥデイ・ネットワークがBlackのBを大文字にする理由」という記事を掲載した。そこでは、「本紙が彼らのコミュニティをどう表現するかでその人たちを不快にさせるなら、耳を傾けなければいけない」と説明している。
ワシントンポスト紙によると、AP通信やロサンゼルス・タイムズ、NBCニュース、BuzzFeedなど大手報道機関も、大文字のBを使う表記へと移行している。同紙によるとこの流れは、新聞などの活字媒体が、読者、従業員、地域社会のリーダーたちの話を聞いて出した結論なのだと説明している。ただし、これを伝えるワシントンポスト自体は、Bを大文字にすることについて「まだ検討中」だという。
【話題の記事】
・「ドイツの黒人はドイツ人とは認められない」 ベルリンで起きた共感のデモ
・動画:「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?