最新記事

人種差別

「ベートーベン黒人説」の真偽より大事なこと

Was Beethoven Black? Twitter Debates Race of German Composer

2020年6月19日(金)16時55分
セレン・モリス

あるユーザーは次のようなコメントを投稿した。「歴史家たちは歴史上最も有名な音楽家のひとりを白人だと偽ってきたのか。ベートーベンは黒人だったのに、長年にわたって私たちに『白人だった』と信じ込ませてきた。またもや白人が歴史を白く塗り替えようとしているのだ」

ベートーベンと同時代に成功した黒人音楽家を引き合いに出す投稿もある。「ベートーベンのルーツに関する研究にどれだけの信ぴょう性があるかは知らないが、彼と同時代に注目すべき複数の黒人作曲家がいたことは確かだ。シュバリエ・ドゥ・サン・ジョルジュや、フランシス・ジョンソン、ジョージ・ブリッジタワーがそうだ」と、トレイシー・Q ・ロクスリーは指摘する。

黒人の音楽家がいた、というだけではない。ベートーベンより優れた音楽家だが、黒人だったがゆえに省みられなかった人物がいるのではないのか、と言うのだ。

ミシガン大学のキラ・サーマン教授(ドイツ史)も、ポーランド生まれのアフリカ系ヨーロッパ人であるジョージ・ブリッジタワーの方が、黒人音楽家としてもっと知られるべきだと指摘した。彼女はツイッターにこう投稿している。「『ベートーベンは黒人だったのか』という疑問を抱くよりも、『なぜ自分はジョージ・ブリッジタワーについて何も知らないのか』を疑問に感じて欲しい。正直なところ、ベートーベン黒人説についてもう議論は聞きたくない。それよりも、多くの人にブリッジタワーや彼のような音楽家の曲を演奏して欲しい」

【話題の記事】
「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったので、一般の方はご注意下さい
「この貞淑な花嫁は......男だ」 イスラムの教え強いインドネシア、ベール越しのデートで初夜まで気付かず

20200623issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国、年金基金のポートフォリオ見直しへ 為替変動と

ビジネス

エンブラエル、2年以内に年間納入100機目指す=幹

ワールド

対カナダ通商合意「第三国を念頭に置かず」 中国が米

ワールド

マクロスコープ:住宅コスト高騰、国内消費の重荷に 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 8
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 9
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中