ロックダウンで困窮のドイツ動物園、一部の動物を殺処分し、餌にする可能性......
動物園は必要か?
動物愛護が盛んなドイツでは動物園の存在に反対の人が多いイメージがある。だが2017年にVdZの依頼でForsa研究施設が実施した調査結果によると、81%のドイツ人が動物園の存在を受け入れ、種を保護するという考えを支持し、動物園を重要な教育機関とみなしているようだ。その理由は、動物園は有益(39%)、種の保存(38%)、外来の動物を体験する機会を提供(25%)などだった。
動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)ドイツ支部によると、動物園での殺処分はめずらしいことではないそうだ。数を公表しているニュルンベルク動物園では、2013年〜15年に毎年最大60頭の「過剰」な動物を殺処分にしたといわれるが、数字を公表しない動物園がほとんどだ。ヨーロッパ動物園・水族館協会(EAZA)は、ヨーロッパの動物園で毎年3,000〜5,000頭が殺処分されていると想定している。
また、今年の元旦にかけ、大晦日恒例の一般市民による花火で、北西部クレフェルトの動物園の近くに住む家族が放ったランタン花火が同園のサル舎に落下、霊長類を中心とした50匹以上の動物が亡くなるという痛ましい事件があったばかりだ。2009年から禁止となっているランタンのような危険な花火を一般市民が簡単に入手できること、および動物園の存在意義について議論が巻き起こったことは記憶に新しい。