「火星探査」で学んだ隔離生活を楽しむ9つのコツ
Living Life at a Distance
■日記をつける
NASAは宇宙飛行士に日記をつけるよう勧めている。彼らの悩みを知り、後に続く宇宙飛行士がそうした問題を克服する手助けをするためだ。悩みをぶちまけると、とても楽になる。日常生活を言葉や絵や映像などで記録するのもいいだろう。朝食に何を食べたかとか、同居人にむかついた、とかでもOK。
■「儀式」を作る
私たちクルーは週2回集まり映画を楽しんだ。気乗りしないときや趣味に合わない作品もあったが、定期的なイベントを楽しみにするのはいいものだった。忙しくしているのも役に立った。何か作ったりしていれば、目の前のことに集中できる。
■外に出る
もっと外に出られればよかったのだが、私に割り当てられたプロジェクトは、読み書きやクルーの睡眠データの整理など屋内作業だった。しかも「宇宙服」をきちんと着るには、数人がかりで10分以上かかる。
それでも、火山岩を踏み締め、洞窟の暗い入り口をのぞき込み、見上げた空が鮮やかな青ではなく赤くくすんでいると想像しながら、マウナロアの赤い溶岩原を歩くのは、いい気分転換になった。もしも可能なら散歩し、新鮮な空気を吸い、ほかの人と適度な距離を保ちつつ日差しをたっぷり浴びよう。
■人と交流する
遠く離れた火星と地球ではデータ送信に最長24分かかるため、私たちの通信手段はeメールのみに制限された。フェイスタイムもツイッターもフェイスブックもインスタグラムもない。正直少しほっとした。毎日のメールや詩、短い動画メッセージなどが地球にいる人たちとの関係を維持したり、新しい人間関係を築くカギだった。
遠く離れた友人や家族と連絡を取り合うことも大切だ。幸い、火星でなければネットを使ってリアルタイムでやりとりできる。既にバーチャルの読書会やパフォーマンスやカフェデートが全米各地で行われており、大学の授業もオンライン化が進んでいる。
■変化をつける
あるクルーは生物学の実験をいくつも抱え、2、3週間置きに新しいことに集中していた。エクササイズビデオを活用して毎日の運動に変化をつけているクルーも多かった。エアソファやエアチェアも用意されていたので、共有スペースの模様替えも簡単だった。環境を変えれば気分も変わる。仕上げたいプロジェクトが1つ終わったら次のことに取り組むようにして、生活に変化をつけよう。