フィリピン、新型コロナウイルス非常事態に首都封鎖+夜間外出禁止令 ドゥテルテ、先手打つ手腕に高い評価
クラスター発生防止で反政府デモも禁止
15日以降はマニラのニノイアキノ国際空港から発着する国内便はほぼ全てが運航休止となり、国際線は受け入れるものの感染者が発生している日本などからの入国は制限を受けるという。入国が自由なのは基本的にフィリピン国籍保持者とその外国人配偶者、永住ビザ所持者、外交官ビザ所持者に限るとしている。
ただ、マニラ以外の国際空港からの入国は検疫などの必要事項はあるものの可能であるとしており、マニラ首都圏以外に所用のある人はそうしたクラーク空港やセブ空港などの国際空港を利用することが可能という。
政府によるとマニラ首都圏の各地点で15日以降は検問と同時に検疫も実施するほか、9日の「緊急事態宣言」で3月14日までとしていた全ての学校の休校を4月12日まで延長。人が多数集まる集会やイベント、会議、競技会など、集団感染の元となるクラスターが生まれる可能性がある行事は全面的に禁止されることになる。
これにより常態化していたマニラ市内での反政府デモなどは「公衆衛生上の理由」で禁止対象となり、今後違反した場合も「公衆衛生上の容疑による逮捕」もありうるという強硬姿勢を示している。
首都圏マニラに通じる要所には15日から「検問所」が設けられ、内務自治省が作成する「出入り可能者リスト」に記載のない人々の出入りが基本的に禁止される。
マニラ脱出を図る人びとも
夜間外出禁止令についてはたとえば午後8時までに閉店した飲食店や商店などで後片付けなどのために残った従業員などは身分証明書を提示してその旨を申告すればおとがめなしとするとしている。
このため13日以降マニラ市内のバスターミナルなどでは故郷に帰省したり、往来の自由が認められている地方に移動したりしようとする市民が詰めかけて混雑が続いているという。
さらに13日が月2回の給与日と重なったこともあり、13,14日ともスーパーやショッピングセンターなどは生活用品や食料品を買い求める市民でごった返している。
しかしその一方で生活用品や食糧などの物資の流入は禁止対象外としていることから、政府は首都圏の市民の生活には不自由を与えることはないとも強調。高まっている生活への不安解消にも躍起となっている。