最新記事

イギリス

ジョンソン英首相「私は新型コロナ感染者とも握手した」

U.K. Leader Boris Johnson Boasts of Shaking Hands With Coronavirus Patients

2020年3月4日(水)15時54分
カレダ・ラーマン

新型コロナウイルス対策について記者会見するジョンソン(3月3日) Frank Augstein/REUTERS

<イギリスは新型コロナウイルスの感染者が50人を突破したところだが、まだ首相が冗談を言う余裕があるようだ>

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、新型コロナウイルスに感染した患者たちとも握手をした、と豪語して失笑を買った。3月3日、イギリスでも感染例が出始めた新型ウイルスについての記者会見の席だ。

今後世界で感染が拡大していったとしても、面会する人たちとの握手を続けるつもりだという。新型ウイルスに怯える国民を安心させようと思ったらしい。

「先日の夜、私は病院を訪れた。そこには新型コロナウイルスに感染した患者が数人いたと思うが、私はそこにいる全員と握手をした。そして、これからも握手を続けるつもりだ」と、ジョンソンは言った。

「一般の人は自分で判断すれば良いが、科学的なエビデンス(証拠)としては、手洗いが非常に重要だ」


ジョンソンがいくら握手に固執しようと、世界では、新型ウイルスに対する予防策として、握手やキスをしなくなっている。

足の握手も流行

ネットに出回っている動画では、手の代わりに足を合わせて挨拶をする人々の様子が映っている。この動作は、新型コロナウイルスの発生源となった中国の都市にちなんで「ウーハン(武漢)シェイク」と呼ばれている。

これが武漢シェイク


メルケル独首相も握手を断られた!


マット・ハンコック英保健相が3月3日に発表したところによると、イギリスでは感染者が51人に達した。ここから「非常に顕著に」増加する恐れがあると、ジョンソンは警告する。

「今後数週間、数カ月の間に、我々が困難に直面する可能性のほうが、そうならない可能性よりもかなり高い」と、ジョンソンは言う。イギリスは「素晴らしいNHS(国民健康保険制度)によって、十分な準備ができている」とも。

さらに翌3日には、イギリスのマット・ハンコック保健相が、同国内の感染者数が51名に達したと報告したと、BBCが伝えている。

新型コロナウイルスの感染者数は全世界で9万2700名を超え、死者数は3155名に達した。

世界保健機関(WHO)は、現在の状況についてパンデミック(世界的大流行)だとは宣告していないが、世界は「未知の領域に入った」」との判断を示している。

(翻訳:ガリレオ)

20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国副首相が米財務長官と会談、対中関税に懸念 対話

ビジネス

アングル:債券市場に安心感、QT減速観測と財務長官

ビジネス

米中古住宅販売、1月は4.9%減の408万戸 4カ

ワールド

米・ウクライナ、鉱物協定巡り協議継続か 米高官は署
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中