武漢封鎖パニック、中国株が大幅下落
Chinese Stock Markets Plunge As Deadly Virus Spreads, Authorities Order Lockdowns
「投資家たちは春節の休みが終わるまで待つしかない」と、香港に拠点を置く投資会社パリー・グローバル・グループのギャビン・パリーCEOは言う。「休場前の土壇場(23日)で手仕舞いをしておくか、それとも市場再開を待つかのどちらかだ。市場再開後は、ある程度の株価の乱高下があるだろう」
資産運用会社マッコーリー・キャピタルのエコノミストであるラリー・フーは、アジアの株式市場は2002年と03年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した時の悪い記憶にとらわれているのだと指摘する。
「各市場がSARSの一件から学んだのは、投資家の心理は感染例が減り始めるまで変わらないということだ。そして今回はまだまだ底が見えない」
カントン・シャオユウ・インベストメント・マネジメントのリ・シユ取締役も、市場心理の動向には、新たな感染数の増減が重要なヒントになるだろうと語る。「ウイルスの流行はあと2週間ほどでピークに達し、その後は感染数が減り始めると期待している」と彼は言う。
流行のピークはまだ先か
金融コンサルティング会社インディペンデント・ストラテジーの社長兼グローバル・ストラテジストであるデービッド・ロシュは23日、次のように語った。「今回のウイルスがどのような性質のものなのか、まだよく分かっていない。悪性の感染が猛烈な勢いで拡散するとパンデミック(世界的な大流行)ということになるが、新たな感染例の多くは限られた地域でのもので、必ずしも感染率が高いということにはならない」
しかしウイルスが変異する可能性もある。
投資銀行サクソバンクの投資戦略部門責任者であるピーター・ガーンリーは、新型コロナウイルスをめぐる事態は予想以上に悪いと警告する。「市場は感染の流行による経済的な損失がどれぐらいになるのかを見積もろうとしている」と彼はつけ加えた。
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