最新記事

中国株

武漢封鎖パニック、中国株が大幅下落

Chinese Stock Markets Plunge As Deadly Virus Spreads, Authorities Order Lockdowns

2020年1月24日(金)14時32分
パラシュ・ゴシュ

「投資家たちは春節の休みが終わるまで待つしかない」と、香港に拠点を置く投資会社パリー・グローバル・グループのギャビン・パリーCEOは言う。「休場前の土壇場(23日)で手仕舞いをしておくか、それとも市場再開を待つかのどちらかだ。市場再開後は、ある程度の株価の乱高下があるだろう」

資産運用会社マッコーリー・キャピタルのエコノミストであるラリー・フーは、アジアの株式市場は2002年と03年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した時の悪い記憶にとらわれているのだと指摘する。

「各市場がSARSの一件から学んだのは、投資家の心理は感染例が減り始めるまで変わらないということだ。そして今回はまだまだ底が見えない」

カントン・シャオユウ・インベストメント・マネジメントのリ・シユ取締役も、市場心理の動向には、新たな感染数の増減が重要なヒントになるだろうと語る。「ウイルスの流行はあと2週間ほどでピークに達し、その後は感染数が減り始めると期待している」と彼は言う。

流行のピークはまだ先か

金融コンサルティング会社インディペンデント・ストラテジーの社長兼グローバル・ストラテジストであるデービッド・ロシュは23日、次のように語った。「今回のウイルスがどのような性質のものなのか、まだよく分かっていない。悪性の感染が猛烈な勢いで拡散するとパンデミック(世界的な大流行)ということになるが、新たな感染例の多くは限られた地域でのもので、必ずしも感染率が高いということにはならない」

しかしウイルスが変異する可能性もある。

投資銀行サクソバンクの投資戦略部門責任者であるピーター・ガーンリーは、新型コロナウイルスをめぐる事態は予想以上に悪いと警告する。「市場は感染の流行による経済的な損失がどれぐらいになるのかを見積もろうとしている」と彼はつけ加えた。

20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

3メガ銀、普通預金金利を0.3%に引き上げ 来年2

ワールド

英政府、10月にハッキング被害 外務省データにアク

ワールド

中国、米の対台湾武器売却に反発 「強力な措置」警告

ビジネス

日銀の利上げ判断は尊重するが、景気の先行きには注視
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中