ウイグル人権法案可決に激怒、「アメリカも先住民を虐殺した」と言い始めた中国
China Hits Back at U.S. Human Rights Bill
華報道官が出した2.09%という数字は、米国勢調査局が2017年に発表した最新の調査結果──アメリカの総人口3億2571万9178人に対し、アメリカン・インディアンとアラスカ先住民(純血または混血)の人口679万5785人から割り出したものだ。純血のみに限ればアメリカン・インディアンとアラスカ先住民の人口は410万4295人で、総人口の1.26%となる。
今日では先住民の居留地は、米内務省インディアン問題部の管轄下で、地元の部族が運営しており、国土全体の約2.79%を占める。居留地では、アルコール依存症やオピオイド系薬物の乱用、貧困率など負の社会指標が他地域と比べ著しく高い。
今年3月、米国務省が年次国別人権報告書を発表し、中国の人権侵害は「群を抜いて」ひどいと指摘すると、中国政府は即座にアメリカの人権状況をまとめた報告書を発表。「人権の守り手」を自任するアメリカは有権者登録でマイノリティの権利を抑圧する、先住民を迫害するなど数々の権利侵害を犯していると批判した。
広大な国土に多様な民族が住む中国は、有史以来、民族間の緊張にたたられてきたが、人口の圧倒的多数を占める漢民族が長きにわたり支配的地位を保ってきた。さらに1949年に中国共産党が政権を樹立すると、国を挙げて無神論を標榜し、特定の宗教を抑圧・禁止してきた。
ロシアは中国を擁護
漢民族優位と宗教弾圧は、中国政府が進めるウイグル人の民族的アイデンティティー弾圧キャンペーンに役立っている。世界最大の人口を抱える中国で、ウイグル人は人口0.8%前後を占めるにすぎない。中国政府は弾圧を否定するが、報道によればここ数年、特に2009年7月に新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで起きた騒乱後はウイグル人排除に拍車がかかった。
アメリカなど欧米諸国は、ウイグル人を拘束し、「再教育」と称して強制収容所のような大規模施設に長期間収容する中国政府のやり方を問題にし、欧米と日本など22カ国は今年7月10日、国連人権理事会に宛てた共同書簡で中国の人権状況調査のため査察団の派遣などを求めた。その2日後、今度はロシアなど37カ国(イスラム教徒が多数を占める国も含む)が中国を擁護する書簡を公開している。
経済規模と外交力で拮抗する米中2大国は、貿易戦争とテクノロジーの覇権争いに加え、人権分野でも世界を2分する勢力争いに突入した格好だ。
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