最新記事

英王室

小児性愛の大富豪エプスタインと児童買春に関わったのか?──英アンドルー王子がBBCに生出演

Prince Andrew Stayed in Epstein's Party Mansion Because It Was 'Convenient'

2019年11月18日(月)17時20分
タレク・ハダド

6月22日、母エリザベス女王とともに馬車でロイヤル・アスコット競馬場に向かうアンドルー王子 John Sibley-REUTERS

<児童性的虐待や売春斡旋容疑で逮捕され自殺した米大富豪エプスタイン被告の邸宅にアンドルー王子が滞在中に、美少女の出入りが目撃され、写真も撮られている。王子は疑惑に何と答えたか>

イギリスのアンドルー王子(59)が、少女への性的虐待や売春斡旋容疑で逮捕され、8月に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタインとの関係について公の場で初めて語った。王子は「便利な場所だったから」エプスタインのニューヨークの豪邸に泊まったものの、彼が性犯罪者として登録されていたことは知らなかったと述べた。

BBCの独占インタビューに応じた王子は疑惑を否定したが、必ずしも納得がいく答えばかりとはいえない。

ニューヨークのアッパーイーストサイドにあるエプスタイン邸を訪ねたのは、彼が児童売春に関与した罪で服役していた刑務所を出た5カ月後の2010年12月のことだった、と王子は述べた。

「高潔なこと」をしたい、つまり、じかに顔を合わせて交際を断ちたいと思ったからだという。ちなみに4日間にわたる王子の滞在と同じころ、エプスタイン邸を出入りする若い女性たちの姿が何枚も写真に撮られている。

「彼が有罪判決を受けたため、私たちが一緒にいるところを見られるのは不適切だと伝えることだけを目的に(エプスタイン邸に)行った」と王子は語った。

「私は多くの人から相反する助言を受けた。彼に会いに行けと言う人もいれば、会いに行くなと言う人もいた。だから自分の考えで決断した。これは重大な問題で、電話で済ませるのは臆病者のやり方だと感じたんだ。自分で会いに行って話さなければならないと」

<参考記事>未成年性的虐待の被告の大富豪が拘置所で怪死、米メディアが大騒ぎする理由

女性に手を振って見送る写真

滞在中、王子とエプスタインがセントラルパークを一緒に歩いている姿が写真に撮られている。王子によれば、もう会うつもりはないとエプスタインに告げたのはこの時だったという。

セントラルパークを歩くアンドルー王子(左)とエプスタイン


だが英紙メール・オン・サンデーに掲載された写真には、その翌日、エプスタイン邸の玄関でアンドルー王子が手を振って「かわいい茶色の髪の女性」を見送る様子が捉えられている。ちなみにその1時間前に家を出たエプスタインは、金髪の若い女性(年齢は不明だが、背丈はエプスタインの肩にも届いていない)を伴っていた。

写真の報道を受けてバッキンガム宮殿は「未成年との不品行に関するいかなる示唆も絶対に真実ではない」と、強い語調で王子の関与を否定した。

<参考記事>ヘンリー王子との結婚「考えが甘かった」と重圧を語るメーガン妃、率直な告白に大きな反響

BBCとのインタビューでエプスタイン邸での滞在について問われた王子は「泊まるのに便利な場所だった」と述べた。「これについてはさんざん考えてきたが、結局のところ、後になってみれば、それはまったく間違った行動だった」

「だが当時は、それが高潔な正しい行為だと思っていた。高潔さにこだわりすぎる自分の性向が判断に影響を与えた可能性は全面的に認めるが、それはどうしようもなかった」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フジHD、株式買い増しはTOBでと旧村上系から通知

ワールド

北京市、住宅購入規制さらに緩和 需要喚起へ

ビジネス

26年度の超長期国債17年ぶり水準に減額、10年債

ワールド

フランス、米を非難 ブルトン元欧州委員へのビザ発給
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中