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あなたの英語Tシャツは大丈夫? 飛行機に乗れないことも......

2019年10月25日(金)15時00分
安部かすみ

サウスウェスト航空では搭乗禁止の騒ぎに

アメリカではこのような騒動は、頻繁とはいかないまでも、たびたび起こっている。

2015年にも同様の騒動があった。ダラス発シカゴ行きのサウスウェスト航空で移動していたニューヨークの大学生、ダニエル・ポドルスキーさんは、悪天候のためセントルイスのランバート国際空港に緊急着陸し、足止めされていた。

ポドルスキーさんも、「Broad (F-word) City」(ブロード(Fワード)シティ)という、意味深なTシャツをこの日着ていた。(アメリカではFワードはメディアや公の場で、かなり厳しく使用が規制されている)

FOX 2 St. Louis


毎年恒例の一大フェスティバル「SXSW」(サウス・バイ・サウスウェスト)で配布されたコメディショウの宣伝Tシャツだったそうで、ポドルスキーさんはランバート国際空港に到着するまで、Tシャツの上にジャケットを羽織っていた。

しかし到着後にジャケットを脱ぎ、再び飛行機に搭乗しようとしたところ、Fワードが下品だとして係員に止められた。

着替えるか、シャツを裏返しに着るか、ジャケットを羽織るか指示されたが、ポドルスキーさんは「言論の自由」や「このメッセージが誰かを攻撃しているわけではない」ことを主張して、係員の指示に従わなかったため、搭乗拒否されることになった。

「かっこいい」と何気なく買っていませんか?

少し古い記事だが、「29 T-Shirts You Must Never, Ever Wear」(絶対に着てはいけない29のTシャツ)という見出しで、バズフィードが気軽に着れないTシャツの記事をまとめている。

これらのTシャツは、日本人からすると一見かっこよかったり、笑える英語のメッセージTシャツに映ることもあるかもしれない。しかし英語の意味を一つずつ考えると、過度の下ネタ、下品なメッセージ、テロを想像させる内容など、飛行機やビジネスの場では決して安易に着れるものではない。

厄介なのは、これらの物議を醸しそうなメッセージTシャツは、意外と身近なところで販売されているということだ。

冒頭の「Rope. Tree. Journalist. Some assembly required」のTシャツは、同じデザインのものが、大手小売チェーンのウォールマートでも販売されていたことが確認されている(同店では2017年に販売中止になった)。

観光で英語圏を訪れた際に、観光客向けのショップや露天などで「軽いジョーク」英語のTシャツを見かけることも多いだろう。安いから、面白いからと安易な気持ちで購入し、帰国便などで着用しないように注意したい。

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