最新記事

韓国

流行りものに弱い韓国に「ハロウィン」文化は根付いたか?

2019年10月25日(金)19時35分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

韓国でもハロウィン文化は急速に定着しつつある Kim Hong-Ji - REUTERS

<熱しやすく冷めやすい国民性といわれる韓国の人たち。海外のトレンドにも敏感な国のハロウィン事情は?>

ここ数年で日本に急激に広まり、定着しつつあるハロウィン。10月に入るとお化けや魔女、顔の描かれたパンプキンが街を装飾している。日本では80年代初めに東京で仮装パレードなどが行われていたそうだが、90年代後半に東京ディズニーランドが、その後2000年代初頭にユニバーサル・スタジオ・ジャパンがハロウィンイベントを始めたことをきっかけに一気に広く知れ渡ったと言われている。

しかし、本場アメリカのハロウィンとは違って、大人がコスプレをして騒ぐ日というイメージが強く、ハリウッド映画などでよく見る子供がお化けの仮装をして近所の家々を回りお菓子をもらい歩く習慣は、一部自治体が特別イベントで行っている以外見かけることは少ないようだ。

お隣りの韓国でも、ハロウィンはここ数年で一気に認知度を上げている。テーマパークがきっかけの日本と違い、韓国では10年ほど前にソウルの中心部・梨泰院(イテウォン)を中心に広がりを見せていった。梨泰院には大きな米軍基地がありアメリカ人が多く住んでいる。多国籍な飲食店も多く、今では米軍人や在韓外国人だけでなく、韓国の若者たちも多く足を運ぶ地域だ。

実は、つい十数年前までは梨泰院といえば「怖い場所」というイメージが強かった。当時、筆者のソウル在住の友人も「梨泰院には怖いのであまり行ったことがない」と言っていたほどだ。日本でも人気の俳優チャン・グンソク主演で実際の殺人事件を元にした映画『The Case of Itaewon Homicide(梨泰院殺人事件)』が制作されたように、暴力事件や怪しい偽ブランドの店が軒を連ねるような、あまりいいイメージのないエリアだった。

しかし、その後個性的な店や本場アメリカの味を求める若者たちが通うようになり、街のイメージが一転。それと共に、10月末に梨泰院のバーやクラブで外国人たちが始めたハロウィンパーティーに韓国人も参加するようになり、広まっていったと言われている。しかし、韓国でも日本と同じく子供たちのイベントというよりも、大人が仮装してお酒を飲むようなイベントの日というイメージが定着している。

映画『IT』とのコラボも

韓国ではどのようなハロウィンイベントが人気なのだろうか? 今年は映画やメディアとのコラボが新しく流行の兆しを見せている。今までも、テーマとしてお化けやハロウィンを設定するイベントはあったが、特定の作品とコラボするのが今年のトレンドのようだ。テーマパーク「エバーランド」では、11月1日日本公開の映画『IT/イット THE END "それ"が見えたら、終わり。』とのコラボを行った。映画のシンボル赤い風船やピエロ。また、360度VREで『it』の恐怖の世界が楽しめるブースも設置された。ピエロつながりで、1980年代の人気歌手キム・ワンソンのヒット曲「ピエロは私たちを見て笑うだろう」をモチーフにしたプロモーションも展開して話題を呼んでいる。

また、今月末にはサスペンスものなどで人気のケーブルTV局OCNが「スリラーハウス」というハロウィンイベントをおこなう。これは、自社のテレビドラマ中から『ボイス』『他人は地獄だ』など多数のスリラーやホラー要素の作品をモチーフに、VR映像体験やホラーメイクアップなど体験できる。先行予約チケットはすでに販売済みで、一次販売分が数分で売り切れたほどの人気をみせた。


テーマパーク「エバーランド」のハロウィン企画プロモーションビデオ EVERLAND / YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド船籍タンカーのホルムズ海峡通過許可へ、イラン

ビジネス

エネ価格高騰続けば経済成長下押しへ、ドイツの経済研

ワールド

再送最大の石油供給混乱に直面、IEA指摘 海峡迂回

ワールド

中国全人代、民族団結法可決 中華民族帰属意識を促進
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 10
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 9
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中