最新記事

TPP

ワインブーム続く日本でシェア拡大するニュージーランド産ワイン CPTPP発効が追い風に

2019年1月7日(月)12時33分

高まる日本人のワイン熱

日本では1980年代の経済力向上とともにワインが愛好されるようになり、その後も続いている。アデレード大学の調査によれば、2015年のワイン消費額において、日本は世界第5位につけている。

日本に輸出されるNZワインは少量だが、外食産業における需要が伸びる中で着実に増大している。

ワイン評論家カーティス・マーシュ氏が「価格と品質の調和において期待を超える誠実なワイン」と評したNZワインの日本での売上高は、過去9年間でほぼ倍増の1400万NZドル(約10億円)に達した。NZワイン生産者協会によれば、米国向け輸出は5億NZドルを超えている。

シレーニにとって、日本向け輸出は03年頃は皆無だったが、今や米国に次いで2番目に大きい海外市場となっている。ウェイトリフティングの元オリンピック代表であるエイブリー氏は、父親から同事業を引き継ぐ前は米国での販売を指揮していた。

エイブリー氏は、販売量は明らかにしなかったが、他の多くの市場でNZ産のソービニヨン・ブランやピノ・ノワールが好まれるのに対して、日本の消費者の好みは多様だという。シレーニが日本向けに輸出しているワインは15種類前後に上る。

日本で販売されるNZワインの大半は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの棚には並ばない。日本の高級レストランのメニューに名を連ね、顧客からは、フランス産高級ブランドに比べ、相対的に低価格だが高品質な選択肢と見られている。

1本40ドル以上でも最安値

ある金曜の夜、東京都心の一等地・麻布にある「鳥善 瀬尾」のメニューを飾っていたのは、伝統的な鳥の串焼き「焼き鳥」の高級グルメ版だった。シレーニの1本4800円のワインは、欧州産が大半を占めるワインリストの中で最も安い。夜のコース料理は5000─8000円で、ワインは1本7500円前後である。

日本のワイン愛好家は、あまり伝統的ではないレストランやホテルにおいて斬新な風味をアピールする、いわゆる「ニューワールド(新世界)」と呼ばれる国々のワインへ嗜好の範囲を広げようとしている、と業界関係者は指摘する。

「最近では、同じ値段でも、フランス産ワインよりNZ産ワインの方が質の良いものが手に入る」と49歳の会社員の女性は言う。

以前はフランス産を好んでいたというこの日本人女性は、「質を考えると、NZ産ワインはリーズナブルな価格だ」と語る。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、核ごみ処分場受け入れで原発建設優遇か 州の意向

ワールド

米記者宅からの押収資料、地裁が捜査認めず 機密漏え

ワールド

南アCPI、12月は前年比+3.6% 追加利下げ見

ビジネス

午前の日経平均は反発、米欧摩擦懸念和らぐ 一時10
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 9
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 10
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中