インターステラテクノロジズ、ロケット打ち上げに失敗も「次につながる失敗」
「次につながる失敗」
失敗後に行われた記者会見では、まだ調査が始まったばかりで原因は不明なものの、いくつかの情報が明らかにされた。
まずロケットエンジンが燃焼を始め、機体が上昇し始めた直後に、エンジンの燃焼室の圧力が低下。さらにその後、発射から4秒後には完全に圧力がなくなり、エンジンの推力を失ったという。その結果、ロケットは墜落した。
このことから、関係者らはエンジンになんらかの問題が起きたものと推定している。
ただ、他の箇所で発生した問題が引き金となってエンジンに異常が起きた可能性もあるため、エンジンが主原因とは断定できないという。また、問題が設計に由来するものなのか、それとも製造過程(組み立てや品質など)に由来するものなのかも、断定できる情報はまだないとしている。
ちなみに同型のエンジンは、過去に40回ほど地上で燃焼試験を行っているが、こうしたことは起こらなかったという。ただ、同社では過去のデータも改めて精査するという。
また、原因究明にはIST社員のほか、外部の有識者にも協力を求めるとしている。ちなみに同社は、1号機の失敗時にも有志のロケット開発経験者の協力で原因究明を行っている。
ISTの稲川貴大(いながわ・たかひろ)社長は「明確な失敗だが、完全な失敗ではない」と強調。「完全な失敗とは『データが取れない』、『なにも残らない』ものだが、今回はデータは取れており、カメラによる記録も残り、機体の一部も残っている。原因の究明ができるため、次につながる失敗だと捉えている」と、前向きな姿勢を示した。
「現場は前向き。モチベーションは高い」
同社によると、MOMOの3号機を開発、打ち上げるのかなど、今後の計画については「現段階ではまだなにも決めていない」という。
ただ稲川氏は「大変なことがあるだろうという覚悟を決めて(ロケット開発を)始めている。現場は前向きに、次に向かっている。モチベーションは落ちていない」とし、原因究明と次の打ち上げに向けた決意を示した。