今回は違う! 銃社会アメリカを拒絶する賢い高校生たち
世界中で連帯の動き
ストーンマン・ダグラス高校の乱射事件からちょうど1カ月の3月14日には全米の高校生が、銃による暴力に抗議するため授業をボイコットした。パークランドでは、死亡した生徒の数に合わせ、犠牲者の数に合わせた17分間のボイコットが行われた。
生徒たちは、様々な表現方法で犠牲者たちへの想いを形にした。ストーンマン・ダグラス高校から車で30分程のクーパー・シティー高校では、授業をボイコットした生徒たちが死亡した生徒と教師を表す14の椅子と3つの教卓を囲んで祈りを捧げたと、地元テレビ局が伝えた。
Beautiful ceremony at @CooperCityHigh this morning as students gathered around 17 empty desks and released 17 doves in honor of those who lost their lives in Parkland pic.twitter.com/qSAhJdBd5U
— WPLG Local 10 News (@WPLGLocal10) 2018年3月14日
ニュージャージー州サウス・ブランスウィックでは、生徒たちがフットボール競技場の雪かきをして通路をつくり、17の机を輪型に並べて犠牲者を追悼した。
ストーンマン・ダグラス高校の生徒たちの訴えを受けて、3月24日には首都ワシントンで「私たちの命のための行進」が実施される。主催側は最高50万人の参加を見込んでいる。
銃による暴力防止に取り組む全米最大の組織「エブリタウン・フォア・ガン・セイフティー」の公式ホームページによれば、香港、インドのムンバイ、アルゼンチンのブエノスアイレスなど世界中の市民団体が連帯を表明しており、14日時点でその数は少なくとも738に上った。
もの言う若年層の票
4月20日は、全米に衝撃を与えたコロンバイン高校銃乱射事件(死者13人)から19年目に当たり、この日にも「ナショナル・スクール・ウォークアウト」と銘打って全米各地の高校で授業ボイコットが実施される。
「銃による暴力を防ぐために何の行動も起こそうとしない連邦や州、地方自治体の議会と当局」に抗議するためボイコットを行うと、主催団体の声明文は述べている。
「多くの州では、有権者登録をするより、銃を購入するほうが簡単だ。一部の政治家は、銃よりも票を恐れているようだ......私たちはこの状況を変えたい」
「高校生たちは毎日、授業をボイコットして、連邦議会にデモをかけている」と、ジェームズは言う。「運動がこれほど盛り上がったのはまったく初めてと言わないまでも、久しぶりだ。この勢いは中間選挙まで続くだろう」
ジェームズらは他の銃規制団体とも連携し、中間選挙に向けて若年層の有権者登録と16~17歳の事前登録を支援する活動を行うという。これもまた、議会を動かす力になりそうだ。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>