国民は慰安婦合意を受け入れられず 文大統領、安倍首相に
イーデイリーは「ムン大統領が慰安婦問題に言及したのは、日本政府に対する圧力と説得の二つの意味を盛り込んでいるとみられる。 初めての会談であることにもかかわらず、懸案の課題を直接取り上げたことは、韓国政府が、慰安婦問題合意を重視していて、合意を守っていくためには国民的な合意を引き出すことが不可欠だという点をアピールした。一方で、ムン大統領は、パク政権が慰安婦問題を前面に打ち出しながら日韓関係が極度に冷え込んだことを教訓として、両国関係の発展と協力の潜在力を同時に強調した。 文大統領が選挙戦開始時に、選管に提出した公約にも慰安婦問題について"原則的対応"と表現して、余地を残したことも、このような脈絡で見ることができる」と論評している。
慰安婦合意破棄を求める市民
こうしたメディアの評価とは別に、慰安婦問題を訴える市民は、新大統領に対して日本政府への強硬な姿勢を求めている。
10日の昼12時、ムン・ジェインが大統領宣誓式を行っているまさにその時間、ソウルの鍾路区にある日本大使館前では慰安婦問題解決を求める集会「水曜集会」が行われていた。新政権が発足した当日ということもあって市民100人が集まり、日韓慰安婦問題合意の無効と日本政府の謝罪を訴えた。
韓国メディアNEWSISによれば、集会の主催者は、「私たちはろうそくの力で新しい時代を開いた。ろうそく革命で誕生したムン・ジェイン政権はただちに日本軍による従軍慰安婦問題の解決に乗り出さなければならない」と主張。さらに「ムン大統領は弊害の清算と国民和解・治癒をするとやくそくした。弊害の清算で真っ先やるべき課題は慰安婦問題合意の破棄だ。ムン大統領は約束通り、慰安婦問題を原則的に解決してほしい」と話した。
罷免されたパク前大統領が決めたという経緯もあり、この慰安婦問題合意については大統領選挙では、ムン・ジェインをはじめ、出馬した主要5政党の公認候補は全員、慰安婦問題合意については再交渉、もしくは破棄ということを掲げていた。北朝鮮の核問題や米トランプ政権とのFTA交渉など、ムン政権が抱える懸案は少なくないが、慰安婦問題合意はそのなかでももっとも扱いが難しい政権の命運を左右しかねない爆弾といえるかもしれない。