最新記事

キャリア

内向型人間が自覚すべき、ストレスを感じる10のポイント

2017年5月29日(月)18時22分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

不安と向き合う

 ではどうすれば「内向型人間」は不安を克服し、大事なことを行動に移すことができるのでしょうか? これは難しい問題です。でも解決できない問題ではありません。対処法はあります。不安は無意識にひそんでいるものなので、不安を意識すればコントロールできるようになるからです。この基本はどんなときも変わりません。私がこれから紹介する不安の対処法には共通点があります。それは「不安から逃げないこと」。不安に立ち向かっていく方法を説いていることです!

基本的な不安の対処法

段階(1):意識して不安を受け止める

 小さい子供はよくベッドの下にお化けがいるかもしれないと言ってこわがります。不安克服の第1段階もこのお化け不安症の治療法に似ています。ベッドの下にランプを置き、お化けを退治すると子供の不安はおさまります。要は、不安に光を当てる、積極的に関わろうとすることです。

段階(2):「なぜこれをすることが大事なのか」、「なぜ不安をかかえてもやりとげなければならないのか」を意識して考える

 決断しましょう。不安に振りまわされないことです。何かを実行に移そうとすると脳内で自動的に不安が生じます。ですがそこで、危険をおかしてでもやる価値があるのだと自分に言い聞かせ、決行するのです。

 これはあなたの快適ゾーンを広げるチャンスでもあります。不安を真正面から受け止め、目的に達するためにはおかすべき危険もある、と冷静に考えてみましょう。

不安を声に出してみる

 不安のもとになっているのは変化をおそれる気持ちです。人間の脳は基本的に変化を害とみなします。不安を感じやすい「内向型人間」の脳はなおさらです。目をつぶっていても歩けるほど歩き慣れた道に別れを告げ、新しい道を選べば、困難に突き当たるのは当然です。なぜならこれまでの習慣が通用しないからです。習慣が通用しなければ、意識的に行動するしかありません。アメリカ人作家、セス・ゴーディンは著書『「新しい働き方」ができる人の時代』(三笠書房、神田昌典訳、2011年)の中で「不安を声に出せば、不安を退治することができる」という画期的な方法を説いています。たとえば「私は講演をするのがこわい。聴衆の中に私と反対意見の人がいるからだ」と大きな声で言うと不安をやわらげることができると言います。

脳の中に新たな神経路を開拓する

 これは神経生物学的な観点からすると最良の方法です。意識や思考をつかさどる大脳皮質には、不安中枢とも呼ばれる扁桃体を安定させる力があります。ですから何かを行うのに不安があるときは、「なぜ不安をかかえてもやりとおさなければならないのか」を意識して考えることです。すると脳の中に新たな神経路が開拓され、精神的キャパシティーを広げることができます。それを続けていくと神経路が安定し、同じような行為をしても不安中枢が以前ほど活発には反応しなくなります。たとえば人前で話をしても取り乱すことなく、多少緊張する程度ですむようになるのです。

※第4回:内向型人間がいないと多くのプロジェクトは成立しない


『内向型人間のための人生戦略大全』
 シルビア・レーケン 著
 岡本朋子 訳
 CCCメディアハウス

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノボ、アルツハイマー病薬試験は「宝くじ」のようなも

ワールド

林氏が政策公表、物価上昇緩やかにし1%程度の実質賃

ワールド

米民主党議員、環境保護局に排出ガス規制撤廃の中止要

ビジネス

アングル:FRB「完全なギアチェンジ」と市場は見な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中