最新記事

キャリア

内向型人間が自覚すべき、ストレスを感じる10のポイント

2017年5月29日(月)18時22分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 次に「内向型人間」がもつ典型的な弱みと心の要求をまとめました。

「内向型人間」の弱み

弱み(1):不安をかかえやすい

 不安とは脳の奥にある大脳辺縁系と扁桃体と呼ばれる部分に生じる強力な衝動のことを言います。そこで生じた不安は私たちの無意識にまで入りこんできます。無意識にとどまる不安はコミュニケーションを妨害するおそれがあります。だから自分の不安をよく知ることが大事なのです。

適度な不安と適度でない不安

 不安をかかえることは悪いことではありません。適度な不安は私たちが無謀な行動に出るのを抑えてくれるからです。泳げない人が飛び込み台から海へ飛びこんだりしないのは不安だからです。また不安は危険を知らせてくれます。バンジージャンプをするときに、むやみに勢いよく飛び下りたりしないのは、足首につけたゴムバンドだけが命綱だと思うからです。不安は適正な度合いで起きれば、私たちを守ってくれます。これはコミュニケーションにおいても同じです。不安が「それはやめたほうがいい」、「動くな!」、「出しゃばるな!」、「話すな!」、「危険をおかすな!」といった指示を出すのです。会社の会議に参加すると、みんなが自分の不安を基準にして話をしていることがわかります。

不安を感じやすい内向型

 では不安が適度でないとはどういうことでしょうか。簡単にいうと不安が邪魔になったり、妨げになったりするということです。たとえば不安のせいで大事なこと(講演会やプレゼンテーションや討論)をうまくできない場合があります。こう書くとあなたは「でも『内向型人間』も『外向型人間』も同じくらい不安をかかえていませんか? 不安は誰もがもつものですよ!」と言うかもしれません。あなたの意見は正しいですが、間違ってもいます。不安は人間みんながもつ基本的な感情です。不安をもたない人などいません。この意味であなたの意見は正しいです。でもコミュニケーションにおいては不安が内向きであるか外向きであるかで、結果が大幅に変わってくるのです。「内向型人間」は不安をかかえると他人と円滑なコミュニケーションができなくなります。一方「外向型人間」は不安をかかえていてもコミュニケーションを成立させることができます。なぜ、こんな違いがあるのでしょうか。それには理由があります。

「内向型人間」は「外向型人間」ほど多くの人間関係や外界からの刺激を必要としません。だから他人とコミュニケーションしたいという要求も不安を克服できるほど強くはないのです。そのためコミュニケーションすることが難しくなります。一方「外向型人間」は他人とコミュニケーションしたいという要求や憧れが強く、そのパワーで不安を克服することができます。

「内向型人間」は常に考えごとをしています。だから「外向型人間」より多くの葛藤を心の中にかかえ、不安も感じやすいのです。不安をもちすぎると行動力や積極性を失い、他人とうまくコミュニケーションできなくなります。

 さらに「内向型人間」は「安全」を求める傾向があります(第1章を参照)。「安全追求型」の「内向型人間」の脳はリスクをすばやく確実に察知します。だから不安も感じやすいのです。不安が言動を規制するようになると、人とうまくコミュニケーションできなくなります。そしていつしか、それが人格に固定されてしまうのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

欧州金融業界向け重要通信技術提供者、EUがAWSな

ワールド

中国首相、ロシア大統領とモスクワで18日に会談=新

ビジネス

米政府系住宅金融2社の株式売却、短期的に不可能=ア

ワールド

MI5、中国スパイがヘッドハンター装い英議員に接触
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中