ベネズエラへ旅立つ前に知っておくべき10のリスク
9. 暴動や略奪はいつ起きてもおかしくない
ENCOVI(ベネズエラの生活状態に関する世論調査)によると、ベネズエラでは2016年に貧困層82%(2014年が48%)、うち極貧層が52%(2014年は24% )と急増しています。
そして国民の73%が、自分の意志に反して、平均で8.7kgも体重を減らしているあり様です。
¡Pensar que fuimos uno los paises mas ricos del MUNDO! Comer basura, drama d los pobres Venezuela https://t.co/GBE0X1PmhU vía @elnacionalweb pic.twitter.com/TU0gRRJVyU
— El PoliTwico (@ElPoliTwico) 2017年3月9日
一時期は本当に食料品がない時もあったが、今はスーパーに食料品は(種類は少ないが)売っている。ただ、値段が給料や労働賃金に見合わずバカ高いので、買えない人が多くいる。だから飢えてゴミを漁ったり、フラミンゴとか犬を食べたり、色んな人が出てきてる。
— Bobcat (@1002bob) 2017年3月5日
外貨を闇両替できる旅行者がベネズエラで食べ物に困ることはありません。このように、外貨にアクセスできるごく一部の特権的な人々が問題なく食事にありつける一方で、それができない圧倒的多数の国民はますます飢え、貧しい子供たちが危機に直面しているのが現状です。
こうした中、ベネズエラでは至る所で抗議や商店・食料輸送用トラックの襲撃が起きています。またマドゥロがいつまた高額紙幣廃止のような劇的な変化を伴う政策を実施するかわかりません。つまり、街全体、あるいは国全体を巻き込んだ大規模な暴動や略奪がいつ起きてもおかしくないということです。
昨年12月のシウダボリバルの暴動は、まさに地獄でした。このような略奪行為は一度始まると一気に広がり、治安当局には止めようがありません。このときの略奪では中国系ビジネスが狙われ甚大な被害を受けました。暴動になったら見た目の似ている日本人が狙われる可能性は否定できません。
【参考記事】「セルフ・ダンピング」で苦境に陥るベネズエラの食料輸入事情
10. 一寸先は闇
昨年10月に大統領罷免選挙の可能性が消え、ベネズエラの政治状況はこれまでと全く異なるフェーズに入りました。ベネズエラの反政府派野党は、チャベス登場以来初めて、「何を達成すれば政権交代できるか」という目標を完全に失ったのです。野党は分裂しており、国民に対して今後の具体的な方向性をなんら示せていません。
同時に、国民生活の窮状、食料不足が2017年に改善する兆しはなく、国民の不満は増すばかりです。
政情は極めて不透明かつ不安定です。クーデターの噂もあります。
どれほど毎日ニュースを見ても、情報をSNSで細かくチェックしても、ベネズエラで明日何が起きるのかは誰にもわかりません。そして、残念ながら、ここにあげた状況は今後悪化することはあっても、現時点で良くなる見通しはまったくないのです。
以上、ベネズエラへの旅行を考える人が行くべきか否かを判断する材料となれば幸いです。