最新記事

ロボット

ロボット同士が情報交換し、自分たちだけで「意思決定」をする時代が来た

2016年9月28日(水)06時00分
ドナルド・パワー ReadWrite[日本版]編集部



クラウドロボティックスについての講演 ロボットの研究で著名なケン・ゴールドバーグ氏(カリフォルニア大学バークレー校教授)がクラウドロボティックスの可能性について語る


クラウド上にロボットが存在する?

 IoTのアーキテクチャや規格、テクノロジーは、将来ロボットにクラウドベースコンピューティングの能力を与えることに寄与し、他のロボットシステムやセンサーとのコミュニケーションを可能にする。

「今後は、スマートなエッジデバイスがローカルデータをロボットシステムと共有することで、自身を定義し、情報提供が可能となる。さらに、ロボットに装着されているセンサーからの情報を足すことで、ロボットシステムはその場での決断および行動を決定するようになる。また、その情報はクラウドによって、より高度な情報処理をされるようにもなるだろう」と、彼は言う。

 まるでクラウド上にロボットが存在しているかのようだ。これこそが、ロボティックIoT(IoRT)である。

 彼のいう話は、以前取り上げた人よりも安いだけでなく、はるかに効率的かつ正確にタスクをこなせる農業ロボットが登場するという話とも符合する。このようなロボットが登場すれば、休憩を必要とせず、より生産性の高い労働力が得られるようになるのは間違いない。

参考記事:ロボット化の波は農業にも──「望んで仕事を奪う」わけじゃない、すべては「人次第」だ

 ロボットの話になると、たいてい「ロボットは人の仕事を奪うか否か」という話題になるが、そのような議論をしている間にもロボットが代替可能な仕事は増えているのだ。AIの話になるが、いまとなっては人の特権だと思われていたクリエイティブ分野ですら危うい状態である。

 我われは話題を早々に「仕事を奪われたとしても問題ない、もしくは、結局のところ"奪われたことにはならない"ようにするためにはどうすればいいか」に切り替えた方がいいだろう。

  

footerlogo.png
ReadWrite[日本版]編集部

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU・仏・独が米国非難、元欧州委員らへのビザ発給禁

ワールド

ウクライナ和平の米提案をプーチン氏に説明、近く立場

ワールド

パキスタン国際航空、地元企業連合が落札 来年4月か

ビジネス

中国、外資優遇の対象拡大 先進製造業やハイテクなど
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 8
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 9
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 10
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中