中国が爆買いで内需喚起、海南島を免税天国に
5月30日、国内の消費や観光の活性化を狙う中国政府は、ミラノやソウルで「爆買い」する国民に中国国内で散財してもらうよう知恵を絞っている。写真は、「免税買い物天国」の海南島でショッピングを楽しむ中国人たち。11日撮影(2016年 ロイター/Farah Master)
国内の消費や観光の活性化を狙う中国政府は、ミラノやソウルで「爆買い」する国民に中国国内で散財してもらうよう知恵を絞っている。そこで誕生したのが、中国の最南端にある海南島の「免税買い物天国」だ。
海南島では2月、免税品の買い物に関する規制が緩和された。世界最大のデューティーフリーショッピングセンターを擁する中国国旅(CITS)<601888.SS>などの企業は、これを追い風に業績を伸ばしており、HNAグループ[HNAIRC.UL]では売上高が160%急増した。
中国では高級品の売り上げが昨年2%減少した。専門家は、官僚の汚職に対する取り締まり強化や経済成長率の鈍化が原因だと指摘する。
一方、ベイン・コンサルタンシーの試算によると、中国人はパリやロンドン、東京など海外都市で高級品の80%近くを購入している。
HSBCのアナリスト、エルワン・ランブール氏は「バーバリーであれリシュモンであれ、多くのブランドは高級品の将来が中国人、それも中国国内の中国人にかかっていることを認識している」と述べた。
免税品買い物の規制緩和
海南島では2011年以降、観光業促進に向けた試験プログラムの下で、免税店は中国本土よりも最大で30%安く商品を販売している。
これまでの規制によると、免税品の買い物は年2回、毎回8000元(1220ドル)が限度とされていた。それが規制緩和の結果、今年2月1日からは、年間の購入額が合計1万6000元以内であれば、買い物の回数に制限はなくなった。また、免税店が商品をオンラインで販売し、旅行者が空港で商品を受け取るという形態も可能になった。
海南島の三亜市では、中国国旅が2014年、中国初の免税ショッピングセンターを開店。サッカー場9つ分とされる巨大なセンターでは、バーバリー・グループやフィナンシエール・リシュモンなど300を超えるブランドに加えて、粉ミルクなども扱う。
ただ、ショッピングセンターでハンドバッグを物色していた20代のある買い物客は「すごく安いけど、品揃えには難がある」と話した。