アフリカで、アフリカ製造業の活躍が始まった
地元財界と連携し、現地の人材や資源を事業に活かせることも強みだ。多国籍企業が欧州にある本社で意思決定を行うことが多いのとは対照的だ。人材や資源を現地で調達していれば、たとえ国が外貨不足に陥っても企業経営に大きな影響はない。
地縁を活かす
上手くいけば、遠い自国のやり方やサービスをそのまま持ち込んでいるだけのグローバル企業よりは、格段に競争力のある価格を提示することができる。そのモデルケースが、ザンビアで急成長を遂げる食品会社ザンビーフ(Zambeef)だ。同社は地元で食品別のサプライチェーンを形成し、農家を支援するとともに、為替変動リスクにも効果を上げた。ザンビーフはすでにガーナとナイジェリアに事業を展開しており、コンゴやジンバブエにも進出する計画だ。
アフリカ各国の政府も国内の消費市場拡大に注目し始めた。ウガンダ政府は2014年、輸入品よりウガンダで生産された製品の購入を推進する政策を打ち出し、政府調達も20%は国産品にするよう定めた。
アフリカ企業の成功に乗じようと、外資系企業も動いている。コカ・コーラ社は2016年1月、2.4億ドルでナイジェリア飲料大手CHI社の株式40%を取得した。
この大陸でのビジネスには多くの困難が待ち受けるのも事実。賄賂や官僚主義が蔓延し、通行料や恣意的な関税、政府規制といった非関税障壁もある。インフラや電力不足は大きな課題だ。
また、同じアフリカでも国籍が違えば敵味方に分かれることも少なくない。ナイジェリア政府は昨年、南アフリカに拠点を置く携帯通信事業者MTNに法令違反があったとして巨額の罰金支払いを命じられた。その上MTNは、ナイジェリア国内のサービスエリアの10%以上で、通信サービスを中止させられている。
アフリカに立ちはだかる壁は高い。だが、今後はアフリカ企業が地域の景気を拡大させ、経済の多角化を進め、世界的な景気低迷からアフリカを守るのに重要な役割を果たしていくのは間違いない。
ジュリアン・ワイス(米大西洋協議会アフリカセンターのプログラムアシスタント)、エリナ・イワミ(同アフリカセンターのインターン生)
This article first appeared on the Atlantic Council website.
Julian Wyss is a Program Assistant with the Atlantic Council's Africa Center and Erina Iwami is an Africa Center intern.