最新記事

世界情勢入門

【地図で読む】サッカーもジーンズも、グローバル化でこう変わった

地図からわかるのは、グローバル化と同時に格差が広がり、大都市や沿岸地帯、港湾と連結のいい場所が勝ち組になったこと

2015年11月2日(月)18時05分

 例えば、テロ組織のISIS(自称イスラム国、別名ISIL)はイラクとシリアにまたがる地域を支配し、シリア難民はヨーロッパだけでなく、隣国のトルコ、レバノン、ヨルダンにも多く逃れている。例えば、米軍の駆逐艦派遣により米中の緊張が高まっているのは南シナ海で、そこでは中国以外にも、ブルネイ、フィリピン、マレーシア、ベトナムが領有権を主張している。

 そういったニュースを聞いても、ピンとこない人は少なくないだろう。シリアは中東のどのあたりにある? 南シナ海はどこからどこまでを指す? 日々流れてくるニュースは膨大だし、世界はあまりに複雑だ。いかに大切でも、「世界の今」を理解するのは簡単ではない。

 そんなときに役立つのが、地図だ――。フランスの人気TV番組から生まれた『最新 地図で読む世界情勢 これだけは知っておきたい世界のこと』(鳥取絹子訳、CCCメディアハウス)は、その名のとおり、地図を軸に据えた入門書。フランス地政学の第一人者であるジャン=クリストフ・ヴィクトルと、高校(リセ)の地理・歴史教師であるドミニク・フシャールおよびカトリーヌ・バリシュニコフが、美しい地図と写真でわかりやすく解説している。

 移民や難民、貧困ライン、温室効果ガス、ジェネリック医薬品、スラム街、デジタル・ディバイド、多国籍企業、マイクロクレジット、生物多様性......。「世界のしくみがひと目でわかる!」と謳い、50以上の地図を収録した本書から、5つのテーマを抜粋し、5回に分けて掲載する。

<*下の画像をクリックするとAmazonのサイトに繋がります>


『最新 地図で読む世界情勢
 ――これだけは知っておきたい世界のこと』
 ジャン=クリストフ・ヴィクトル、ドミニク・フシャール、
 カトリーヌ・バリシュニコフ 著
 鳥取絹子 訳
 CCCメディアハウス

◇ ◇ ◇


《君子は道義に反して利益を追わない》 ――孔子[紀元前5世紀の中国の思想家]

<上の地図 スポーツのグローバル化
北(半球)の国々のサッカー・クラブでプレーをするために、南(半球)の国々から来るサッカー選手がますます増えている。そういう選手たちは先進国で養成されたチームメイトより年俸が低い。このことは、国際的な人材補給が行なわれる理由を一部説明してくれる。フランスの場合、かつて植民地が多くあった西アフリカからの選手が多い。

「グローバル化」で世界はどうなるか?

 グローバル化という言葉が使われだしたのは最近だが、じつは古くからあるプロセスでもある。20 世紀後半は、さまざまな要因が重なって、かつてないほどグローバル化が加速した。

 要因としてあげられるのは、パソコンやインターネットなど、コミュニケーションの新技術が発達し、地球上のあらゆる地点とネットを通して即座に交流できるようになったこと。飛行機代や関税が安くなったおかげで国際貿易が飛躍的に発展したこと。英語が世界じゅうに広く普及したことなどだ。こうして国家間に相互依存関係が生まれ、新しい富が創出されたのはいいのだが、同時に格差も広がった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アルゼンチンGDP、25年は4.4%増 予想やや下

ビジネス

オープンAI、今年末までに従業員8000人にほぼ倍

ワールド

フィッチ、NZの格付け見通し引き下げ 財政再建の遅

ワールド

イランのミサイルによる欧州標的計画、裏付ける証拠な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    人気セレブの「問題ビデオ」拡散を受け、出演する米…
  • 8
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 9
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 10
    BTSカムバック公演で光化門に26万人、ソウル中心部の…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中