最新記事

世界情勢入門

【地図で読む】サッカーもジーンズも、グローバル化でこう変わった

2015年11月2日(月)18時05分

 というのも、グローバル化は......文字どおりのグローバル(地球全体)ではないからである。世界の決定機関や富、ネットワーク、技術革新は「北(半球)」の大都市に集中し、いまでは新興国と言われるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS:新興5カ国)にも集中している。工場があるのは、北(半球)の国々より労働賃金が安い「開発途上国」で、先進国の大企業の一部はそこで製品を作らせている。これを生産拠点の国外移転と言う。

 地図からわかるのは、グローバル化で勝ち組になった地域は大都市や沿岸地帯、港湾と連結のいい場所であることだ。


知っていましたか?
グローバル化を象徴するマクドナルドの「ビッグマック」は、世界120 カ国で売られている。ビッグマック1個の値段は、ノルウェーで6.2 ユーロ[約830 円]なのに対し、中国では1.75 ユーロ[約230 円]である。

mapbook151102-b.jpg

<上の地図 1本のジーンズのために5大陸
アメリカで考案されたジーンズのデザインは、インターネットで世界じゅうに送信される。布地はアフリカやアジアで生産された綿で作られ、ファスナーは、オーストラリアやナミビア(アフリカ南部)で採掘された銅を元に、日本で作られる。ヨーロッパで織って染められたジーンズ地をこするのに、トルコ産の軽石が使われる。そのあとチュニジア(北アフリカ)で縫製されてジーンズの形になり、アメリカを拠点に世界じゅうに販売される。

※第2回【地図で読む】18歳以下の「子供兵士」は世界に約25万人いる:はこちら

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中