最新記事

ヘルス

美容と健康のために胎盤スムージーって???

馬や羊などのプラセンタでは物足りず自分の胎盤を食べる女性が増えている

2015年4月28日(火)18時25分
フェリシティ・ケーポン

効果と安全性は 人や動物の胎盤は中国でも漢方薬として使われてきたが Kin Cheung / Reuters

 美容目的で馬や羊、豚などの動物のプラセンタ(胎盤)を摂取したり、成分を肌に塗ったりするのは特段珍しいことではない。でも人間の胎盤となると話は別かもしれない。

 最近、ロンドン西方の町スウィンドンで、出産後の女性のために本人の胎盤を使ってスムージーを作っていた女性キャサリン・ビールが保健当局の調査を受けた。衛生面と健康面の懸念が理由だ。

 彼女は、出産して間もない女性が持ってきた胎盤を乾燥させ、砕いてカプセルに詰めたり、フルーツと混ぜてスムージーを作ったりしていた。料金はカプセルが150ポンド(約2万7000円)、スムージーは追加料金20ポンド(約3600円)。裁判所による営業停止命令は出ていないが、ビールは調査が終わるまで自主休業している。

 眉をひそめる人も多いかもしれないが、イギリスでは出産後に自分の胎盤を食べる女性が増えていると、カプセル作りスペシャリストの訓練と認定を行っているインディペンデント・プラセンタ・エンカプスレーション・ネットワーク(IPEN)のリニア・シュリーフ創設者は言う。ビールに研修を行ったのもIPENだ。

ただの偽薬効果との声も

 シュリーフの推計によれば、イギリスで自分の胎盤を食べる母親は年間1000人を上回る。5年前は、この「療法」に関心を示す母親は年に2、300人程度だったという。「人気が高まっていることは間違いない。問い合わせは増えるばかりだ」

 人気の理由は口コミだと、シュリーフは言う。胎盤に含まれる鉄分と栄養分のおかげで、実際に試した女性の多くが快眠や美肌、母乳の増加といった効果を報告しているという。「赤ちゃんがすぐ泣きやむ新しいオモチャが出てくれば、母親たちの間でたちまち噂になる。それと同じことが起きている」

 IPENのお墨付きを得て活動しているカプセル作りスペシャリストは100人以上。助産師やドゥーラ(妊産婦の世話をする専門職)、ホリスティック医療のセラピスト、一般の母親たちなどがいるという。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中