最新記事

エクササイズ

縄跳びで本気のエクササイズ、海外SNSでブームに 米では売れ行き3〜4倍に

2021年06月28日(月)19時00分
青葉やまと

縄跳びは短時間集中の運動ではランニングよりも効率的 CoffeeAndMilk-iStock

<ロックダウン中にもトレーニングでき、ランニングより効率的なエクササイズとして、縄跳びに注目が集まっている>

このところ海外で、縄跳びへの注目が高まっている。ロックダウン中には各地でジムが閉鎖され、外で運動しようにもマスクが必要では何ともやりづらい。そこで注目されたのが、自邸の室内や庭先でも取り組める縄跳びだ。アメリカでは昨年から跳び縄が飛ぶように売れており、販売元によっては売り上げが一昨年比で3倍から4倍になった。

派手なトリックを決めれば動画映えもすることから、SNSでのシェアもかなり活発になってきている。ハッシュタグ「#jumprope」が付いたインスタグラムの投稿は計100万本に迫る勢いで増えており、華麗なトリックが日々新たに披露されている。

アメリカだけでなく、イギリス、ブラジル、ロシア、パキスタンなど、あらゆる国々の人々がインスタグラムに投稿を重ねている。その完成されたスキルの数々は、誰もが小学生時代に親しんだあの体験の延長線上にありながら、もはや別のきらびやかなスポーツといった趣だ。

こうしたブームのけん引役の一人が、イギリスに住む29歳のローレン・フライメンさんだ。米CNNによると彼女は、ロックダウン中にインスタグラムで目にした縄跳び動画に触発され、自身でもトライしてみることにした。

すると実力をメキメキと伸ばし、フットワークとロープ捌きを巧みに組み合わせた技を次々にマスター。昨年4月に開設した自身のアカウントで華麗なテクニックを公開すると、フォロワー30万人を抱える人気アカウントとなった。どの動画でもまるで機械のように正確なステップを刻みながら、カメラが捉え切れないほどのスピードでロープを操る。その美しいフォームに惹かれ、自分でもチャレンジしてみたという人々も少なくないようだ。

短時間集中の運動ではランニングよりも効率的

見ても跳んでも楽しい縄跳びだが、実は子供の遊びというイメージに反し、有酸素運動としては非常に多くのカロリーを消費できる。人気のランニングも時間あたり多くのカロリーを消費できることが知られているが、縄跳びにきちんと取り組むと、その効果はランニングを上回るのだという。

健康情報を扱う米ヘルス・ライン誌は、縄跳びとランニングの消費カロリーを比較している。カロリー消費量は運動の強度で異なるが、標準的またはそれ以上の強度で運動をする場合は、縄跳びを選んだ方が効率が良いのだという。例として、体重68キロの人が10分間運動する場合、ランニングでは125キロカロリーを消費する。一方、縄跳びでは140キロカロリーだ。同じ時間運動しても、縄跳びの方が1割ほど高い効果を得られる計算だ。

最終的なカロリー消費は継続時間をかけて決まるため、一概に縄跳びの総カロリーが多いということではない。ランニングの方が長時間続けられるという人ならば、そちらを選ぶのも手だ。一方、毎日限られた時間で成果を出したいという場合には、縄跳びが強い味方になりそうだ。

有酸素運動としての効果も高く、CNNに寄稿するダーナ・サンタス氏は、「真に効率的な有酸素運動を探しているなら、縄跳びがまさにそれだといえるでしょう」と述べている。さらに跳躍運動は、骨を丈夫にする効果にも優れている。日本人科学者らによる2005年の研究では、10分間の縄跳びが30分間のランニングに匹敵するほど骨密度を向上させることが確認された。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ノバルティスとロシュ、トランプ政権の薬価引き下げに

ビジネス

中国の鉄鋼輸出許可制、貿易摩擦を抑制へ=政府系業界

ワールド

アングル:米援助削減で揺らぐ命綱、ケニアの子どもの

ワールド

訂正-中国、簡素化した新たなレアアース輸出許可を付
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    アン王女と「瓜二つ」レディ・ルイーズ・ウィンザーっ…

  • 4

    女子サッカーで世界初、生理周期に合わせてトレーニ…

  • 5

    「見せたら駄目」──なぜ女性の「バストトップ」を社…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    女子サッカーで世界初、生理周期に合わせてトレーニ…

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:教養としてのBL入門

特集:教養としてのBL入門

2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく