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メンタルヘルス

「コロナうつ」に負けない心の強い子どもに育てるヒント

2021年01月26日(火)17時05分
船津徹

子どものストレスを軽減するのは「安心感」

子どもは環境の変化に敏感であると同時に、環境に適応する能力も高いことが知られています。親や養育者が、子どもの出す「不安のサイン」を察知し、素早く対応することで、子どものメンタルヘルスを守り、環境の変化にスムーズに適応させることができます。

反対に子どもが発するSOSに聞き耳を立てず、突き放すと、不安はもっと大きくなり、ストレス反応はさらに複雑になっていきます。生活環境が変わったことによる不安や混乱を軽減するには、何よりも親の保護を実感させ、子どもの安心感を高めることが必要です。

親の保護を実感させるには「ママとパパが絶対に守ってあげる」「何があっても大丈夫」と言葉で伝えると同時に「スキンシップ」を増やすと効果的です。母親が抱っこしたり、膝の上に座らせたり、添い寝をしたり、手足をマッサージしたり、頭や肩や背中を撫でてあげたり「心地良い皮膚接触」を心がけると、子どもは保護を実感でき、安心します。

父親は、母親とはアプローチを少し変えて、身体を使った遊びを取り入れると効果的です。肩車、お馬さんごっこ、相撲ごっこ、プロレスごっこなど、やや荒っぽい、身体が触れ合う遊びを増やすと、子どもは親から受け入れられていることを実感し、精神が安定するのです。

年齢の小さい子どもは、一日の中でも「自信」と「不安」が振り子のように左右に振れ動きます。自信が大きい時は元気で活発ですが、不安が大きくなると不機嫌で消極的になります。親は子どものわずかな変化を見逃さず、迅速に対応することが大切です。

自信を大きくすれば「不安」は消えていく

コロナ禍による環境の変化に負けない強い心を育てるには「自信」を大きくすることが手っ取り早い方法です。「不安」の原因である新型コロナウィルスを世の中から「今すぐ」取り除くことは難しいですが、子どもの「自信」を大きくすることは「今すぐ」できます。

心理学では、子どもの自信は「受容」と「有能感」という二つの柱で成立していると考えられています。信頼する人から愛され、受け入れられていると実感した時(受容)、そして目標を達成したり、新しいスキルを習得した時(有能感)、子どもは自分自身に満足し、自信が大きくなります。

私は「受容」を「根拠のない自信」、そして「有能感」を「根拠のある自信」と呼んでいます。両者の明確な違いは「与えられる自信」と「獲得する自信」です。親がこの違いを知り、適切な保護とサポートを与えることで、環境の変化を物ともしない、心の強い子どもに育てることができます。

根拠のない自信(受容)は、100%親や養育者から与えられるものです。「自分は親から受け入れられている」「親から愛されている」「親から守られている」という自信であり、子どもがいくら努力しても手に入れることはできません。

もちろん大抵の親は我が子を十分に愛していると思っています。しかし大抵の子どもは親から十分に愛されていると「実感していない」のです。親子で愛情の感じ方に温度差(すれ違い)があることを知ってください。

親の愛情を子どもに実感させるには、心地よい皮膚接触が一番です。母親が子どもとベタベタして、たっぷり甘えさせてあげると「自分は愛され受け入れられている」と子どもは心から実感できるのです。

この方法は小学生以上の子どもにも効果があります。頭をなでたり、肩や背中をさすったり、手足をマッサージしてあげると子どもの情緒はすぐに安定します。根拠のない自信を大きくする特効薬は「心地よいスキンシップ」。お金も時間もかかりませんからぜひ実行してください。

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