社会で必要なのに日本人家庭で教えないスキル
まずは家庭で親が人付き合いの手本を示すことを意識しましょう。そして次の3つのルールを教えてあげてください。
1)笑顔であいさつする
2)相手の目を見て話す
3)相手の話をしっかり聞く
この3つを実践するだけで子どものコミュニケーション力は目に見えて向上します。
絶対にしてはいけないのが、子どもの前で親がパートナーや友だちの悪口を言ったり、バカにしたり、嫌味を言ったり、低く扱ったりすることです。子どもは親の行動や言動から自分の行動規範を作りますから、子どもにも悪い人付き合いの習慣が身についてしまいます。
家庭でコミュニケーション力を育てる上で大切なのが「食事の時間」です。フランス人の食事時間の長さは世界でもよく知られていますが、その理由は、家族がその日の出来事を話し合い「コミュニケーション」を密にすることにあります。
この時に行うのは「楽しい雑談」です。子どもにその日の出来事を話してもらい、親も身の回りの事や時事ニュースなどを子どもに分かりやすく話し、お互いに会話を楽しむことがコミュニケーション力の向上につながっていきます。
もう一つコミュニケーション力の育成で重要なのが父親の関与です。日頃から社会で揉まれている父親は子どもにとって最良のコミュニケーションの先生です。父親と一緒に遊んだり、スポーツをしたり、家族以外の人と関わる中で、子どもは社会のルール、マナー、人付き合いのコツを学ぶことができます。
アメリカの発達心理学者イボンヌ・カルデラ博士が、父親が子育てに積極的に参加している家庭の子どもを調査した所、以下のような共通点を発見しました。
・頼み事を気軽に聞いてくれる。
・初対面の人とでもちゅうちょせず会話ができる。
・他の子どもたちと簡単に打ち解けることができる。
・よく笑う。
・我慢強い。
・新しい遊びへの挑戦を楽しむ。
・父親との関係が良好。
・母親との関係も良好。