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英会話では英語が身につかない2つの理由

2020年07月07日(火)15時35分
船津徹

週に1回、1時間の英会話レッスン受けていても「プラス1000時間」を達成するには20年近くかかってしまい現実的ではありません。(1年間は52週(52時間)ですから、休まず通っても1000時間達成に19年)

もう一つは、日常的に英語を使うことがない日本で「会話中心」の学習は定着しにくいことです。フィリピン、シンガポール、マレーシア、香港のように、英語を使う環境が身近にあれば「英会話」の実践を積み重ねることが可能です。しかし日本でいくら会話のパターンを覚えても、英語を話す相手がいませんから技能が身につかないのです。

では日本で英語を習得するにはどうしたら良いのかと言えば「英語のリーディング力育成」がベストな方法です。英語の本がスラスラと読めるようになれば、いつでも、どこでも、いくらでも、読書を通して学校教育や英会話では足りない英語学習時間を稼ぎ、独学で英語力を向上させていくことができるのです。

英語が話せても授業についていけないタロウ君

ハワイで生まれ育ったタロウ君。両親は日本人です。家庭では日本語を話し、幼稚園では英語を話す環境で育ちました。ハワイの小学校に上がる6歳頃には、日本語と英語を「話せる」バイリンガルに成長しました。

そんなタロウ君がハワイの小学校に通い始めて1ヶ月ほど経ったある日、担任の先生からお母さんに電話がありました。

「タロウ君ですが、英語力が弱いので授業についていけません。放課後に家庭教師をつけて補習を受けることはできませんか?」

お母さんはびっくりして反論します。

「タロウは英語ぺらぺらです。なぜ授業についていけないのですか?」

先生は答えました。

「英会話に問題ありません。でもリーディング力が足りないのです」

お母さんは呆然としてしまいました。英語が流暢に「話せる」タロウ君を見て、学校の授業にも問題なくついていけるだろうと「思い込んでいた」のです。

The Children's Reading Foundationによると、アメリカの学校カリキュラムの「85%以上」は「リーディング」で構成されているそうです。つまり英語を読む力が身についていなければ授業についていくことができないのです。

アメリカで生まれ育ち、アメリカの学校に通えば誰でも英語を「話せる」ようになります。しかし全ての子どもが勉強が得意になるわけではありません。勉強ができる子にするには「リーディング力」を鍛える必要があるのです。

外国人子弟の学力不振もリーディング力が原因

グローバル化に伴い日本の学校にも外国人子弟が増えました。都市圏はもちろん、地方の学校にも外国人子弟が在籍することが珍しくなくなりました。しかし彼らの多くが授業についていけず苦労しています。なぜでしょうか?

それは「日本語のリーディング力」が弱いからです。学力を獲得していく土台となる日本語を「読む力」が足りていないから、教科書の内容を読み解けず、それが原因で授業についていけないのです。

もちろん外国人子弟も国語の授業では「日本語」を教えてもらえます。しかし、元々日本語が弱い外国人の子どもが(日本人向けの)国語の授業を受けるだけで満足な日本語力を身につけることは難しいのです。

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