英語嫌いな子供になって当然。日本の英語教育の欠点を自学でカバーする方法とは?
どうしたら英語が読めるようになるのか?
日本の子どもが「ひらがな」「カタカナ」「漢字」という順で文字読みを身につけていくように、英語のリーディング指導も段階的に行われます。最初に学ぶのが、英語の「ひらがな」である「フォニックス」です。フォニックスは「A=ア」「B=ブ」「C=ク」というように、アルファベット26文字と「音」の関係を教えるものです。
日本では「A=エイ」「B=ビー」「C=シー」とアルファベットの「名前」を教えますが、これを覚えても簡単な三文字単語の「BED」すら読むことができません。「BED=ビーエイーディー」になってしまいますね。でもフォニックスを学ぶと「BED=ブェド」と正しい発音で読めるようになるのです。
日本の学校ではフォニックスを教えずに、いきなり単語読みを指導しますが、これは「ひらがなを読めない子どもに本を読ませる」ようなものです。この方法だと、多くの子どもが「正しく読めない」「知らない単語は読めない」という壁にぶつかります。そして「英語は難しいから嫌い!」となってしまうのです。
フォニックスを学ぶと小学生でもシェークスピアが読めるようになります。日本語は「漢字」を覚えなければ、難解な本が読めるようになりませんが、英語には漢字がありませんから、フォニックスを覚えるだけで、大人向けの小説や専門書だって読めるようになるのです。
もちろん英語の本が読めても、書かれている内容を全て理解できるわけではありません。しかし英語が読めるようになることは、子どもにとって大きな成功体験であり「自分は英語ができる」という自信とやる気を大きくしてくれるのです。
そこから先は、学習者の興味とレベルに合った本を多読していくことで、ボキャブラリーを増やし、文法知識を身につけ、表現力を伸ばしていけばいいのです。さらに付け加えると、本を読む時は、黙読していても頭の中で「音読」していますから、スピーキングとリスニングも同時に鍛えることができます。
【参考記事】日本人が知らない「品格の英語」──英語は3語で伝わりません
サイトワーズを300語覚えると、どんな本でも7割読める!
「the, of, and, a, to, in」を読めない人はいないと思います。これらは英語の「頻出単語」であり、サイトワーズ(Sight Words)と呼びます。英語圏の小学校では、フォニックスに加えて、サイトワーズを必ず指導します。
小学校でサイトワーズを教える理由は明快です。全ての英語の「約50%は頻出上位100単語」のサイトワーズで、そして、全ての英語の「65〜70%は頻出上位300単語」のサイトワーズで構成されているからです。*絵本から専門的な学術文章まで全ての英語です。
たった300単語のサイトワーズを覚えるだけで、理屈では、どんな本も70%読めるようになるのです。サイトワーズはリーディングフルエンシーを身につける近道ですから、子どもたちに教えない手はありません。
サイトワーズにはいくつかの異なるリストが存在します。アメリカの小学校で最もよく使われるリストはDolch Sight Wordsと呼ばれる220単語です。このリストが発表されたのは1948年で、当時の子ども向けの絵本から単語が抽出されています。「The Cat in the Hat」で人気のドクター・スースの絵本シリーズはDolch Sight Wordsの220単語をベースに書かれています。
次にメジャーなものがFry Sight Wordsです。こちらは1980年に最新版が発表されました。このリストには小学3年〜高校1年生までの教科書で頻出する1000単語がまとめられています。この1000単語を覚えると、あらゆる英語の本、新聞、ウェブサイトの「90%以上」が読めると言われています。
オーストラリア(イリギス英語)の小学校でよく使われる単語をまとめたものがOxford Wordlistと呼ばれる500単語のリストです。このリストのオリジナルは2007年に発表されましたが、2017年にアップデートされており、現在最も新しいサイトワーズリストです。
以上のリストはインターネットで無料公開されていますから、興味のある方は検索してみてください。