高齢時に忘れっぽい人になるかどうかは、8歳の時に予測できる:研究結果
2019年11月06日(水)18時00分
認知症発症前に思考や記憶力の違いを検知
高齢時の調査に参加した人たちには、ポジトロン断層法(PET)を受けてもらい、アルツハイマー病と関連したアミロイドベータ斑が脳にあるかを診断してもらった他、脳の磁気共鳴画像(MRI)も撮ってもらっていた。
これらの結果をテスト結果と照らし合わせたところ、アミロイドベータ斑がある人は、認知テストの結果が8パーセント低かった。ただし、アミロイドベータ斑の有無は、性別や子ども時代の認知スキル、教育レベルや社会経済的なレベルには関係なかったという。
ショット博士は「ニューロロジー」の発表文の中で、「子どもの頃の認知スキル、教育、社会経済的な立場が、高齢時の認知パフォーマンスにそれぞれ影響することが分かった」と述べている。また、「認知症を発症すると思われる年齢がまだまだ先であっても、高齢者の脳に存在するアミロイドベータ斑に関連した思考や記憶力における、若干の違いを検知できることが分かった」と述べた。
研究チームは、歳をとっていくことによって人の思考力や記憶力がいかに変わっていくかを正確に予測するために、今後も引き続き、同じ人たちを対象にフォローアップ調査を行っていく予定だ。また、今回の参加者は全員白人であったため、一般的な集団の結果を示すものではない可能性があるとしている。