最新記事

ヘルス

離婚で「早死にリスク50%アップ」 夫や妻の小言もあるうちが花

2018年6月1日(金)15時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

健康のカギはパートナーのうるさい文句…!? ArtMarie-iStock

<煩わしくもある「タバコ辞めてよ」「運動しようよ」の文句もあるだけマシ。パートナーの言葉がないと生活満足度が低くなり...>

アリゾナ州ツーソンのアリゾナ大学の心理学部に所属するカイル・ブーラサ教授が発表した「配偶者から離れると早期に死亡する可能性が高まる」説が注目されている。

行動医学専門誌「ジャーナル・アヌルズ・オブ・ビヘイビオラル・メディシン」に掲載されたレポートで、ブーラサ教授の研究チームは「配偶者の小言」がカギを握っていると結論付けた。一緒に生活していた者同士が離婚して住まいを別にすると、それまで当たり前だった夫や妻からの言葉はなくなる。そのせいで寿命が縮まる可能性は、47%も高まるそうだ(英デイリー・メール)。

調査では、イギリスに住む50歳以上の5786人を対象に10年に渡って、生活満足度、運動レベル、喫煙状況、肺機能を観察。このうち926人は離婚か別居をし、再婚もしなかった。その他の人は結婚しており、この2つの集団を比較して「早死にリスク」の数値を導き出した。

うるさい文句もあるだけマシ?

結婚といっても赤の他人が生活を一緒にするのだから、合わない部分は当然ある。そうは分かっていても、パートナーの一挙一動や考え方を発端にイライラを募らせ、その結果うっかり(意図的に言う人もいる)小言を発してしまった経験のある人は少なくないだろう。

心当たりのある方は是非とも知ってほしい。ブーラサは、配偶者の小言と早死にリスクの関係をこう説明している。

「離婚して関係が終わると、私たちはいろんな意味で健康行動(健康に良い行動)をはじめ、重要な社会的コントロールを失う」。夫や妻が喫煙する場合は、健康を想ってタバコを辞めさせようとするかもしれない。結果、これは配偶者の行動に影響を与え、健康を促すことに繋がる。つまり、パートナーがいることが、健康的な生活習慣を根付かせるポイントという。

【参考記事】家事をやらない日本の高齢男性を襲う熟年離婚の悲劇

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 6
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 7
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 8
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中