学校は週4日制でいい?
アメリカで金曜日を休みにする学校区が増えている。学力向上にもつながるというのだが
休校日 いつもにぎやかな教室に生徒はいない GETTY IMAGES
アイダホ州南西部ホームデールの農村地帯の金曜日。学校の教室に子供の姿は見えない。授業を受ける代わりに、子供たちはスポーツを楽しんだり家族と釣りに行ったりしている。
先生も金曜日は休みだ。遅くまでゆっくり寝たり自己啓発のために時間を使う。
この町のように週4日制にする学校区が全米で増えている。全体でどれだけの数なのかは分からないが、アリゾナ、コロラド、アイダホ、オレゴン州の当局によれば、近年増加しているとのことだ。特にアイダホが顕著で、州の教育委員会によると、115学区のうち42学区が週4日制を採用。過去4年間で倍増したという。
週4日のメリットとは何なのか? 昔からよく言われているのは、休みを1日増やせばコスト削減につながるという点だ。
だが最近は、週末を3連休にすれば子供の学習効率が上がり、教師の能力も高まるとの理由から、週4日制を導入する学校が増えている。特に金曜を教師の研修日に充てている学区は、そうした効果を狙っている。子供たちの課外活動がたくさん用意されていたり、親が子供の長くなった週末に付き合う余裕のある富裕層の学区でも、そうした理由から週4日制に移行する動きが目立つ。
「効率的に教えられる」
週4日にしたほうが、学力が伸びると実証されているわけではないが、アイダホの例ではその効果が表れている。
田舎の小さな町の多くがそうであるように、ホームデールも最初は週4日にすれば予算を節約できると考えていた。だがすぐに、削減できるコストはわずかでしかないことに気付いた。
教育委員会全国連合は11年、週4日制にしている学区での年間のコスト削減率は0.4〜2.5%だと分析した。週休3日にしても、その分、4日間の授業時間は増えるため、教師の給与をカットすることはできない。学校は金曜も開放しておく必要のある日が多いため、光熱費も変わらない。削減できるところといえば、スクールバスやカフェテリアのコストぐらいだ。
結局、ホームデールを週4日へと突き動かしたのは、学力の向上が見込める可能性だった。そして今のところ、その判断を後悔していない。ホームデールの教師たちは、授業内容を充実させることができるようになり、金曜は自分の研修に励めると、メリットを指摘する。