最新記事

バブル

バブルがいつ弾けるかを推測する手がかり、「恐怖指数」の読み方

2018年6月28日(木)17時51分
株の窓口

Kameleon007-iStock.

<1年足らずで10倍になったビットコインは、その後、1週間で30%急落した。いつかは弾けるのがバブルだが、問題は「それがいつなのか」。それを推測する手がかりとなるのが、市場参加者たちの集団心理を表した指標だ>

株価の大暴落は恐ろしいものです。だれだって遭遇したくありません。でも、そんな「恐ろしさ」を表す指数があることをご存じでしょうか? それが「恐怖指数」とも呼ばれる「VIX指数」です。

VIX指数が上昇すればするほど、「投資家が暴落リスクに対する警戒感を強めている」とわかり、反対に、VIX指数が低いところで安定していれば、「暴落のリスクはないと安心している」という雰囲気を読み取れる----そんな指標です。

株価は集団心理で動きます。どれだけ市場参加者が「ビビっているか」を数値で把握できれば、大いに活躍してくれるでしょう。というわけで、集団心理を表すVIX指数をはじめとした指標と、その見方について紹介します。

鍵は「ボラティリティー」にあり

そもそも、「市場参加者がビビっているかどうか」をどうやって算出するのでしょうか。その鍵となるのは「ボラティリティー」です。このボラティリティーがVIX指数(恐怖指数)につながっていくので、まずはボラティリティーについて説明します。

ボラティリティーとは「変動率」、つまり「値動き」のことです。たとえば以下の2つであれば、②のほうが「ボラティリティーが大きい」と言えます。

①ある一定期間で、株価が1000~1100円で動く株
②ある一定期間で、株価が800円~1500円で動く株

そして、ボラティリティーには2種類あります。

●ヒストリカル・ボラティリティー......過去の実際の変動率
●インプライド・ボラティリティー......将来の予想変動率

過去の変動率は、実際の数値があるので測定も簡単です。しかし、「将来の予想変動率」はどのように測定するのでしょうか?

金融には「オプション取引」というものがあります。「将来の決められた期日に、あらかじめ決められた価格対象となっている資産を買い付ける、または売り付ける『権利』を売買する取引」です。このオプション取引の価格から、市場参加者が予想している将来のボラティリティーを逆算できるのです。

日経平均の予想変動率

日経平均株価の各ボラティリティー指数は、日本経済新聞を見ればわかります。過去の変動率であるヒストリカル・ボラティリティー(=日経平均HV)、予想変動率のインプライド・ボラティリティー(=日経平均VI〔ボラティリティー・インデックス〕)ともに、紙面に掲載されています。

両者の差を見るのも面白いのですが、ここではネットで簡単に見ることができ、これからの市場の雰囲気を知ることのできる「日経平均VI」(=予想変動率)について詳しく見ていきましょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相「レバノン停戦を確実に履行」、安保閣

ワールド

カナダ首相、米関税巡り州と協議へ トランプ氏主張に

ビジネス

米ベスト・バイ、通期業績予想引き下げ 家電需要の低

ワールド

トランプ関税、インフレを悪化させ雇用を奪う=メキシ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    こんなアナーキーな都市は中国にしかないと断言できる!?──重慶市の通勤風景がtiktokerに大ヒット
  • 4
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 5
    放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...…
  • 6
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 7
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 8
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中