最新記事
BOOKS

【中学・高校受験】「わかった気になる」オンライン学習の落とし穴...効率よく弱点を埋める「オレオ学習法」

2024年11月18日(月)15時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
オンライン学習をする女の子

(写真はイメージです) takayuki-shutterstock

<時間をかけて勉強しても知識が定着しないのは、「わかったつもり」になるオンライン学習の弊害かもしれない>

年明けから本番が始まる受験シーズンに向けて、最後の追い込みをかけるこの時期。思うように点数が上がらず焦る受験生も多いのではないだろうか。

しかし、睡眠時間を削り長時間の勉強をしても、なかなか成果につながらないのなら、そもそもの勉強の仕方から見直してみるべきだ。焦る気持ちはわかるが、問いの「要点と構造」を理解しないまま知識だけを詰め込んでも、勉強した気になるだけで、実際の試験では成果を発揮しにくい。

今回は読解力と理解力を上げ、効率よく弱点を克服する「オレオ学習法」について紹介してく。記事の後半にある例題は、気の抜けるほど簡単なものだが、重要なのは試験問題の「要点と構造」を見抜く力である。それはレベルの高い難しい問題になっても、大人になり社会に出てからも、論理的な思考において重要なポイントとなるため、それぞれのレベルに合わせて、ぜひ応用してみてほしい。

韓国でロングセラーとなり、日本でも発売わずか2ヶ月で4刷の重版を重ねている『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)から、ライティング・コーチのソン・スッキ氏の解説を抜粋して紹介する。

※本書からの抜粋第1回:【中学・高校受験】「4行でまとめろ」ハーバードで150年伝わる作文力を一気に底上げするスキル

◇ ◇ ◇

勉強ができる人とできない人の決定的な違い

「メタ認知学習法」という言葉を聞いたことがありますか?

自分のことを客観的に見る力を「メタ認知」と言います。「メタ認知学習法」は、みなさんが勉強するときに、自分がどれだけ勉強ができているかを客観的に把握することで、学習力をもっと高めていこうという学習法です。

自分で考えて疑問点や答えを探していく自主的な勉強も、このメタ認知があってこそできるものです。成績がずば抜けて優秀な子どもたちは、このメタ認知能力が優れているのです。

勉強していると、「難しすぎて、何がわからないのかもわからない」となってしまう人も多いと思いますが、メタ認知に優れた人は、自分が何をわかっていて、何がわかっていないのかをしっかりと把握できています。だから、限られた時間内でも、わからないことを重点的に勉強してカバーすることができるので成績優秀なのです。

しかし、「難しすぎて、何がわからないのかもわからない」というメタ認知能力の低いタイプの人たちも、塾に通ったり、予習をしたり、単語帳を作ったりと一生懸命やっています。ですが、自分の弱点がわかっていないから、せっかく勉強をしても必要のないことにまで時間をかけてしまってとても効率が悪いのです。

最近ではオンラインで学習する機会が飛躍的に増えました。タブレット、スマートフォン、コンピュータで学ぶことが日常的になっています。ただ、オンライン学習には落とし穴があります。

それは、「なんとなくわかった気になる」という錯覚現象です。せっかく勉強するのですから、これだけは避けなければなりません。特に、メタ認知能力の低い人や、自主的に勉強するのが苦手な人は、オンライン学習の際には気をつけてください。

こうした落とし穴を避けるため、オンライン学習でも、必ず手書きでノートを取り、自分で考えて書いてまとめるようにしましょう。自分が何がわかっていて、何がわからないのかを確認するのにも、「ライティング」が最適です。

テーマについて書くことほど、メタ認知能力を向上させる近道はありません。次の項目でオレオ公式を使った学習法をご紹介します。

newsweekjp20241112054231-d9845afd11b38bda9dfa0512e6f4c3b14b7079b7.jpg

展覧会
京都国立博物館 特別展「日本、美のるつぼ」 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中