最新記事
健康

「他人の便を患者の腸に入れると、がんが治る?」 東大名誉教授が科学的に解説する納得の健康長寿術

2024年6月24日(月)16時37分
石浦 章一(理学博士)*PRESIDENT Onlineからの転載

ところが地球の地殻を構成する元素は、酸素47パーセント、酸素が多いことは同じなんですが、ケイ素が28パーセント、アルミニウムが8パーセントと人体と異なります。ケイ素やアルミニウムなど人間では使われないようなものが地殻に多いのです。

最近サプリメントでケイ素が入ったものが売れています。ケイ素とは書いておらずシリカと書いてある。不思議ですね、シリカと書くとなぜ売れるのでしょうか。

普通は、全くからだの役に立たない物質です。皆さん、ひょっとして、シリカゲルが水を吸収するように、何かシリカが悪いものを吸収するとでも思っているのでしょうか。

本当に不思議で、ミネラルウォーターに「天然水」と書くと売れるようなものなのでしょうね。ゴミやフンが入っていた自然の水の方が電気分解した水よりきれい、という不思議な感覚を持っている日本人が多いのです。

【アルミがアルツハイマー病を引き起こすというのはデマだった】

同様にアルミニウムがからだの中の化学反応に効いているという話はありません。昔、アルミニウムがアルツハイマー病を引き起こすという話(デマ)があって、アルミニウム鍋を捨てた人がいます。全くのデマだったのです。

私たちは、アルミニウムは普通の水道の水から1日20ミリグラムから40ミリグラム、飲んでいます。しかし、何も起こりません。これは当然で、アルミニウムはからだの役に立っていないからです。

アルミニウムが一番たくさん入っているのは、海藻や葉もの野菜です。日本人の生活で、一番多くアルミニウムを多く含むものは、皆さんが胃を悪くしたときに飲む芳香性の消化薬です。

この消化薬の中には、1回1さじの中にアルミニウムが273.4ミリグラム入っています。1回分で水道水の量の10倍以上入っています。

あとはミョウバンの中にも結構たくさん入っています。漬物の色出しに使います。だから皆さん、黙ってもアルミニウムをたくさん食べているのです。アルミニウムでぼけるとか、アルミニウムでアルツハイマー病になるというのは、一切ウソですから心配しなくていいのです。

胃腸薬の中に入っている理由は、胃酸を中和するために入れているだけなのです。

やはり食事と運動は、一生、毎日続けるもので、この2つは皆さんの寿命に直結する大切なものです。ただ漫然と食べるのは良くなく、意識して運動しないといけないことがお分かりになったと思います。

newsweekjp_20240624072752.png石浦章一『70歳までに脳とからだを健康にする科学』(ちくま新書)(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インドGDP、7─9月期は前年同期比8.2%増 予

ワールド

今年の台湾GDP、15年ぶりの高成長に AI需要急

ビジネス

伊第3四半期GDP改定値、0.1%増に上方修正 輸

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中