LINEで句読点を使うと「怒っている」と誤解される...... オトナには想像できない若者世代のLINE常識
絵文字は「相手への気遣い」のためだが...
メールでは、丁寧な挨拶や語尾などで堅苦しさを和らげるものだ。だからLINEをメールと同様に使う大人は、挨拶してから丁寧な長い文章を送る。さらに、彼らは相手への気遣いの意味で絵文字や顔文字をつける。この文化が、若者とはどうしても相いれないのだ。
Simejiの「Z世代が選ぶ‼ Simejiランキング」で、気になるおじさん構文の特徴が公開されている。1位は「絵文字・顔文字・記号を多用」、3位は「1度に送る文章が長い」、そして6位に「句読点『、』が異様に多い」がランクインしており、まさにこの特徴に合致している。
ちなみに、「文章中にカタカナを乱用」「親しくないのにメッセージになるといきなりタメ口」「返信がこなくてもメッセージを連投」といったメッセージも「おじさん構文」と受け取られるようだ。
「怖い」「怒っている」と思われないために
では、大人世代が若者とやり取りするときに、「怖い」「怒っている」と思われないためにはどうすればいいのか。
大人同士では有効な絵文字・顔文字は、残念ながら、若者とのやり取りにはあまり効果がないかもしれない。子どもに絵文字がついたメッセージの印象について聞いたところ、「微妙」と答えていた。
若者同士のやり取りは、一見そっけない文章でもスピーディに会話としてやり取りされるので、やり取りが続くこと自体で相手が自分に好意を抱いていることがわかる。大人と若者ではそのようなやり取りにはならないので、やわらかい文章を心がけたり、むしろ対面でのコミュニケーションに力を入れたりするべきだろう。
大人から若者に対してメッセージを送る場合は用件があるときだから、文章が長くなるのも仕方がない。ただし、怒っていると誤解されないよう、句読点はなるべく入れない方がいいかもしれない。若者とやり取りするときの参考にしていただければ幸いだ。
逆に、若者は「おじさん構文」の裏に隠れている大人世代の気遣いを察して、広い心で接してあげてほしい。
高橋暁子(たかはし・あきこ)
成蹊大学客員教授
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、webメディアなどの記事の執筆、講演などを手掛ける。SNSや情報リテラシー、ICT教育などに詳しい。著書に『ソーシャルメディア中毒』『できるゼロからはじめるLINE超入門』ほか多数。「あさイチ」「クローズアップ現代+」などテレビ出演多数。元小学校教員。