最新記事
ネット

LINEで句読点を使うと「怒っている」と誤解される...... オトナには想像できない若者世代のLINE常識

2023年10月17日(火)20時26分
高橋暁子(成蹊大学客員教授) *PRESIDENT Onlineからの転載

絵文字は「相手への気遣い」のためだが...

メールでは、丁寧な挨拶や語尾などで堅苦しさを和らげるものだ。だからLINEをメールと同様に使う大人は、挨拶してから丁寧な長い文章を送る。さらに、彼らは相手への気遣いの意味で絵文字や顔文字をつける。この文化が、若者とはどうしても相いれないのだ。

Simejiの「Z世代が選ぶ‼ Simejiランキング」で、気になるおじさん構文の特徴が公開されている。1位は「絵文字・顔文字・記号を多用」、3位は「1度に送る文章が長い」、そして6位に「句読点『、』が異様に多い」がランクインしており、まさにこの特徴に合致している。

reuter_20231017_164911.jpg

おじさん構文のLINEのイメージ(編集部作成)

ちなみに、「文章中にカタカナを乱用」「親しくないのにメッセージになるといきなりタメ口」「返信がこなくてもメッセージを連投」といったメッセージも「おじさん構文」と受け取られるようだ。

「怖い」「怒っている」と思われないために

では、大人世代が若者とやり取りするときに、「怖い」「怒っている」と思われないためにはどうすればいいのか。

大人同士では有効な絵文字・顔文字は、残念ながら、若者とのやり取りにはあまり効果がないかもしれない。子どもに絵文字がついたメッセージの印象について聞いたところ、「微妙」と答えていた。

若者同士のやり取りは、一見そっけない文章でもスピーディに会話としてやり取りされるので、やり取りが続くこと自体で相手が自分に好意を抱いていることがわかる。大人と若者ではそのようなやり取りにはならないので、やわらかい文章を心がけたり、むしろ対面でのコミュニケーションに力を入れたりするべきだろう。

大人から若者に対してメッセージを送る場合は用件があるときだから、文章が長くなるのも仕方がない。ただし、怒っていると誤解されないよう、句読点はなるべく入れない方がいいかもしれない。若者とやり取りするときの参考にしていただければ幸いだ。

逆に、若者は「おじさん構文」の裏に隠れている大人世代の気遣いを察して、広い心で接してあげてほしい。

高橋暁子(たかはし・あきこ)

成蹊大学客員教授
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、webメディアなどの記事の執筆、講演などを手掛ける。SNSや情報リテラシー、ICT教育などに詳しい。著書に『ソーシャルメディア中毒』『できるゼロからはじめるLINE超入門』ほか多数。「あさイチ」「クローズアップ現代+」などテレビ出演多数。元小学校教員。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中