最新記事

年金

老後は公的年金だけで大丈夫 プロが見直しを勧める「60代後半がハマる無駄遣い」とは

2023年2月13日(月)17時50分
大江加代(確定拠出年金アナリスト) *PRESIDENT Onlineからの転載

図表2のデータをご覧ください。介護にかかる費用は、住居のリフォームや介護用ベッドの購入といった一時的な費用の平均が74万円、月々の費用が平均8.3万円となっています。また、介護期間は平均で61.1カ月ですから約5年ということ。この数字から算出すれば、介護費用は、一人あたり500万~600万円必要だろうということがわかります。ただし、期間は単純な平均ですから、1年未満の人もいれば、10年以上介護が続く人もいます。介護期間の長さに応じて必要な費用も変わります。

図表2 介護に要した費用

民間介護保険に加入しても、10万~30万円程度の一時金が1回だけもらえるといったタイプのものが多いようです。また、要支援1・2や要介護1など介護度が軽い場合は、保険がおりないものもあります。そうなると、やはり頼りになるのは退職金ということになるでしょう。

サブスク、通信費、住まい、マイカー見直しのポイント

保険以外にも、数々の無駄が家計にはひそんでいます。

たとえば、スポーツジム、テレビの有料チャンネル、定額制の動画配信サービスなど。使っていないのに会費が口座から自動引き落としになっているものはありませんか?

スマホも、ずっと大手の通信会社一筋ならば、格安スマホなどに乗り換えれば、かなり通信費が抑えられます。どうしてもキャリアを変更したくない場合は、オプションやプランの見直しをしてみてください。とくに昔からずっとプラン変更をしていないという人は、当時より安いプランがある可能性が高いと思います。

そのほか、なんとなく習慣でやめられなくなっている新聞や雑誌の定期購読も、本当に必要かどうか考えてみてください。

これらを見直しただけでも、月に1万~3万円くらいの無駄は減らせるでしょう。

また、自家用車を持っている人は「いつまで運転するのか」ということを検討すべきです。定年後の買い替えの回数が1回で済むのか2回必要かでは、一時出費の予算も変わります。車は不要と判断すれば、維持費やガソリン代などでかなりのお金が浮くでしょう。

もっと大きなものでいえば、家の問題があります。今の家をリフォームして住み続けますか? それとも夫婦2人でもっとコンパクトな家に住み替えますか? 仮に自宅を売却し、暮らし方そのものをダウンサイジングすれば、さらにお金を貯えられると思います。

人生を楽しむお金はケチらない

老後のお金の管理は「年金の範囲内に日常生活費を収める」「医療や介護に備えて退職金または貯蓄は取り崩さない」という2つのことを守るだけ。あとのお金は、どう使っても自由です。

とくに、60歳以降に働いて稼いだお金は楽しみに使うための収入です。大いに好きなことに使いましょう。このお金なら世界一周旅行に使おうが、お店のオープン資金に使おうが、自分の勝手です。

「つみたてNISA」などで運用していたお金も、必要なときに必要な分を売却して、使ったほうがいいと思います。

よく、株や投資信託などの値動きがあるリスク資産は、ある程度の年齢になったら、元本割れしない預金などの安全資産に移して管理しましょうといわれます。しかし、そんなめんどうなことはしなくていいのです。

全部の財産を株や投資信託で持つのは危険ですが、必要なキャッシュは退職金でキープしてあるのですから、運用で出た利益も好きなことに使えばいいでしょう。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

タイ輸出、1月は前年比24.4%増で予想上回る 米

ビジネス

JPモルガン、第1四半期に投資銀行・市場部門の堅調

ワールド

米民主党、下院激戦区の資金調達で共和党上回る

ワールド

トランプ政権、大学への「悪意ある外国の影響力」監視
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 4
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 5
    ペットとの「別れの時」をどう見極めるべきか...獣医…
  • 6
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 9
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 10
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中